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下城
「下城〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下城の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
広《なりひろ》の方は、不快に感じたかと云うと、必しもそうではない。それは、彼が、
下城《げじょう》をする際に、いつになく機嫌《きげん》のよさそうな顔をしているので....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
て居ります、清左衞門縄に掛って御町《おまち》奉行へ呼出される、依田様は八ツ時の御
下城から直に御出席に相成りまして、じっと下河原清左衞門の顔を見て居りましたが、人....
「名君忠之」より 著者:夢野久作
主君の気象を知り抜いている大目付役、尾藤内記は、慌しくスルスルと退いた。すぐにも
下城しそうな足取りで、お局を出たが、しかし、お局外の長廊下を大書院へ近づくうちに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろへは、全部小判を敷きつめて、御自分のお乗物に、越中守の御死体とお相乗りになって
下城なされました。 桜田御門の検閲は厳しいそうでございますが、その時、吉村侯の....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
味に出ます時分又自分で箝めてまいりますだけの事でございます。こゝに松平右京殿、御
下城の折柄駕籠訴を致した者があります。これは御登城の節よりかお退りを待って訴える....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
また陰険な謀叛人の集会所のようにも思われるのであった。 「そうだ時々監視しよう」
下城の途次はいうまでもなく非番の日などには遠い本所からわざわざ写山楼まで出かけて....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、何を浮かん顔をしておる」
お由羅と、将曹とは、自分の膝を凝視めて黙っていた。
下城して来た斉彬は、いつもより、眼の微笑が、少かった。出迎えの家来達――いよいよ....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
、日田の月隈の奉行所に御座る大公儀の御金奉行の監督を受けながら、九州の諸大名の城
下城下におる御用金預り……博多で言えば蔵元屋のような主立った商人にソレゾレ貸付け....
「魔像」より 著者:林不忘
験と必要に即《そく》して案出したのがこの咳払いである。大目附は、登城《とじょう》
下城《げじょう》に城中を通るとき、えへん、えへんと盛んにこの出もしない咳をして歩....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
細《いさい》、承知いたしました」 両奉行は西の溜へとってかえすと、あわただしく
下城の支度をはじめる。……一刻も早くこのむねを伝えて、万事ぬかりなく準備させねば....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
くような声でお帰りを待たしていただきたいと言って脇書院《わきしょいん》へ通る。お
下城《さがり》になった顔をひと眼見てここで腹を切る覚悟。 万感《ばんかん》胸に....
「三国志」より 著者:吉川英治
う。 「渭水の堤を利用し、土塁を高く築いて、蜿蜒、数里のあいだを、壕と土壁との地
下城としてしまうに限りましょう」 「地
下城。なるほど。土の地
下城では、焼討ちも計....
「三国志」より 著者:吉川英治
がいた。彼と孟達とは日頃から非常に親しかった。会議が終ると、何かそそくさと急いで
下城したようだったが、我が家へ帰るとすぐ書簡をしたためて、 (君の命は危ない。転....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
、 『あの池には、鯉がいてもいいな』 と、独り呟いた。 そして夕刻、何気なく
下城して帰ってみると、邸内いたる所に鯉を入れた桶や槽がおいてあって、 『なんとし....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
と意志した。けれど、なおその後も、ともすれば、お燕の泣き声はおもい出された。登城
下城の道すがらも、幼な児を見、幼ない者の泣くのを聞けば――はっと意識なく胸をつか....