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「下婢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下婢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球を狙う者」より 著者:海野十三
だったんです」 「マリアって、誰です」 「先生とあたしの身のまわりを世話している下婢の土人娘です。ああどうしましょう。あんな温和《おとな》しいいい娘《こ》が殺さ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
んで、落頭民と呼ばれるようになったのである。 呉の将、朱桓という将軍がひとりの下婢を置いたが、その女は夜中に睡ると首がぬけ出して、あるいは狗竇から、あるいは窓....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
甚だ不安になった。夜は兵をあつめて宿舎の周囲を守らせ、妻を室内に深く閉じ籠めて、下婢十余人を付き添わせて置くと、その夜は暗い風が吹いた。五更(午前三時―五時)に....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
お役に立たず、極りが悪うございまして、お銚子を持ちますにも手が震えてなりません。下婢をお傍へお置き遊ばしたとお思いなさいまして、お休みになりますまでお使いなすっ....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
円髷。眦が下って、脂ぎった頬へ、こう……いつでもばらばらとおくれ毛を下げていた。下婢から成上ったとも言うし、妾を直したのだとも云う。実の御新造は、人づきあいはも....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
ると、直ぐに元気づいて、はきはきして、五日ばかり御膳も頂かれなかったものが、急に下婢を呼んで、(直ぐ腕車夫を見ておいで。)さ、それが夜の十時すぎだから恐しいじゃ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
理由問いたるに、何ゆえというにはあらず、飽きたればなりとのたまう。されど彼家なる下婢の、密にその実を語りし時は、稚心にもわれ嬉しく思い染みぬ。 「それはね、坊ち....
狂女」より 著者:秋田滋
ば、誰も彼女をその蒲団のなかから引ッぱり出すようなことはしなかった。 年老いた下婢がひとり彼女のそばに附いていて、その女が時折り飲物をのませたり、小さな冷肉の....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
、声を聴いただけでも一人娘の、びりびり蟲のつよいところが触れてくる。 しかし、下婢のパドミーニはここには居りません。私は、なんと入浴中のレディにお答えしていい....
鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
勢の作男たちの濁声が聞こえ、厩舎の方からは、幾頭かの馬の嘶く声が聞こえた。時々、下婢や下男が彼の前を通ったが、彼の姿を眼に入れると、いずれも慇懃に会釈をした。彼....
良夜」より 著者:饗庭篁村
暮がたある宿に着きたり。宿に着きても油断せず、合客の様子、家居の間取等に心づけ、下婢が「風呂に召されよ」と言いしも「風邪の心地なれば」とて辞し、夜食早くしたため....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
口で、云って見れば天一坊の元祖に当る訳。 大名の内幕は随分ダラケたもので、侍女下婢に馴染んでは幾人も子を産ませる。そんな事は決して珍らしくはなかったので、又こ....
妖怪報告」より 著者:井上円了
日なり。日課を終え、午後六時ごろ旅亭に帰り浴湯し、まさに晩餐を喫せんとす。旅亭の下婢、左側の障子を開き、手に電報を持ち、予に告げて曰く、「ただ今、君へ電報到着せ....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
道 十五日前三時、起て見ると晴、先ずこの様子なら降りではなかろう、主人の注意と下婢の働きで、それぞれの準備を終り、穂高よりすぐ下山する者のためにとて、特に案内....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
朝起きると幾分か洗う。その洗い方が面白い。ついでに申して置きますが、まず下僕なり下婢なりが湯を柄杓に汲んで持って来ると、それを両方の手の平を凹めてその湯を受けて....