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下帯
「下帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
である。「歩く拍子《ひょうし》に紅《もみ》のはつちと浅黄縮緬《あさぎちりめん》の
下帯《したおび》がひらりひらりと見え」とか「肌の雪と白き浴衣《ゆかた》の間にちら....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
が、雨が間もなく降り出し、保土ヶ谷の宿へ丑満《うしみつ》の頃帰ったときは、二人の
下帯まで濡《ぬ》れていた。 十一日、十二日と二人は保土ヶ谷の宿で、悶々《もんも....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ワリと宙に浮き、そして何だかグニャリと軟い物の上に置かれた。 「さあさあ、襯衣も
下帯も外して……」 うわーイと、僕は目を醒ました。目を明けてみると、大きな女の....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
て下さい」 僕は庵主の顔を見たが、諦めて学生服を脱ぎ、それから襯衣を脱ぎ、遂に
下帯一つになってしまった。 「さあ、それでいい。……ではこれから着つけにかかりま....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
虎より忍術を封じられた挙句、虎の巻も捲き上げられてしまったなどとは知らぬ胴六は、
下帯の中まで探していたがいよいよ見つからぬと判ると、急にけがらわしくなって来て、....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
に攫み潰せし如き傷○衣類大名縞|単物、二タ子唐桟羽織但紐附、紺博多帯、肉シャツ、
下帯、白足袋、駒下駄○持物更に無し○心当りの者は申出ず可し 明治二十二年七月六日....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
はござりませぬ」 「勇ましく思うぞ。きっと仕れ」 「は」 と云うと衣裳を脱ぎ、
下帯へ短刀を手挟むと、屹と水面を睨み詰めた。両手を頭上へ上げると見る間に、辷るが....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
晩のお菜の三杯酢にする半助とはんぺんを買って、下寺町のわが家に戻ると、早速亭主の
下帯へこっそりいもりの一匹を縫いこんで置き、自分もまた他の一匹を身に帯びた。 ....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
うせハダカのついでだから、今日は縁の下の大掃除を致しましょうと云って、いきなり、
下帯ひとつに箒をかついで縁の下へもぐりこみ、右に左に隈なく掃き清めてスヽだらけ黒....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
てしまったのである。 28 洵に異風な人達であった。 大方の者は赤裸で、茜の
下帯をしめている。小玉裏の裏帯を、幾重にも廻して腰に纏い、そこへ両刀を差している....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
まっぴらご免」と云ったかと思うと、白の博多の帯をとき、クルクルと衣裳を脱ぎ捨たが
下帯一つの全裸体、何と堂々たる体格だ、腕には隆々たる力瘤、胴締まって腰ガッシリ、....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
たりしていた。世話をする中盆が、声を涸らして整理に努めているかと思うと、素裸体に
下帯一つ、半紙を二つ折りにしたのを腰に挾んだ壺振りが、鉢巻をして、威勢のよいとこ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
置に坐っていた。 中盆――即ち壺皿を振る奴、それが目差す八五郎であったが、晒の
下帯一筋だけの、素晴しく元気のいい恰好で、盆の世話を焼いていた。 勝ちつづけた....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
で有った。 竜次郎は手早く衣類を脱いだ。手甲、脚半とまでは届かなかった。小刀を
下帯に後差しにして、新利根の堀割へと飛込んだ。 五間六間は何んでもなかったが、....
「世間師」より 著者:小栗風葉
れる。食わしてもらうその礼心でもあろうが、銭占屋の事というと忠々しく気をつけて、
下帯の洗濯から布団の上げ下ろしまで世話をしてやる。そして同宿の者のいない時なぞ、....