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下役
「下役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
がたかって居ります。罪状を記《しる》した白木《しらき》の札《ふだ》、首の番をする
下役人《したやくにん》――それはいつもと変りません。が、三本組み合せた、青竹の上....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
年とった支那人はこう言った後《のち》、まだ余憤《よふん》の消えないように若い
下役《したやく》へ話しかけた。
「これは君の責任だ。好《い》いかね。君の責任だ。....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
がう。イエルサレムにあるサンヘドリムの門番だったと云うものもあれば、いやピラトの
下役《したやく》だったと云うものもある。中にはまた、靴屋だと云っているものもあっ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
きで、世話ずきであるから、玄関に引きも切れない来客の名札は、新聞記者も、学生も、
下役も、呉服屋も、絵師も、役者も、宗教家も、……悉く夫人の手に受取られて、偏にそ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
鎮めてやる」 平気でそこに移り住んで、奴僕どもはみな門外に眠らせ、自分は一人の
下役人と共に座敷のまん中に陣取っていた。
下役人は勇悍にして弓を善くする者であった....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を見せられて、楊もおどろいた。殊に新任早々で、在来のことをなんにも知らないので、
下役人を呼んで取調べると、それはかの村民らを杖殺した一件であることが判った。首枷....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が撫でても音を立てない。盗みをした者が手を触るればたちまちに音を立てる」 陳は
下役の者どもを率いて荘重な祭事をおこなった。それが済んで、鐘のまわりに帷を垂れさ....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
、俳優を招きながら門外へ出て行くらしいので、俳優はそれを県令に申立てると、県令は
下役ふたりに命じてその跡を追わせた。幽霊のすがたは俳優の眼にみえるばかりで、余人....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
よくそんな事を饒舌ったものね)……もっとも有名な立派な方ですとさ、勧業課長さん、
下役を二人、供に連れて、右の茅屋へお出向きになると、目貫、小柄で、お侍の三千石、....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
度、そこから会計課へかけこんだのかね。シューバルが君の直接の上役なのだから、君は
下役としてあの人とだけで話をつけるように、って何度おだやかに言い聞かされたのかね....
「城」より 著者:カフカフランツ
歩いて近づいていった。それからいよいよ通話が始まった。執事は眠っていたが、執事の
下役の一人のフリッツ氏が電話に出たのだ。例の若い男はシュワルツァーと名のったが、....
「審判」より 著者:カフカフランツ
だ時間も早いのだがすでに疲れきってしまったKは、事務室にすわっていた。少なくとも
下役の連中を寄せつけないように、大事な仕事をやっているのだから誰も入れてはならな....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
面白いのは壮士坊主の居るところでした。
壮士坊主が騒いで居るところへシャーゴの
下役を勤めて居る警護の僧が、長さ二間ばかり太さ五、六寸ほどの柳の棒を提げて見廻り....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
る。その中で下級の殿上人の娘くらいの者が、尻軽るにちょこまかと細かな役をつとめる
下役の女房になる。駄洒落や軽る口をたたいて、宮の内に笑を作るのもこの身分のもので....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
ございますの。 実は旦那様と私とは敵同士なんです。随分古いお話ですが、旦那様の
下役のある男が官金費消罪で刑務所へ入れられ自殺したという話をご存じでございましょ....