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下手
「下手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
いたのである。
「これはお尋ねにあずかって恐縮至極でございますな。手前のはほんの
下手《へた》の横好きで今日も運座《うんざ》、明日も運座、と、所々方々へ臆面もなく....
「葱」より 著者:芥川竜之介
竹に燭奴《つけぎ》を挟んだ札《ふだ》の上へ落ちた。札には墨黒々《すみくろぐろ》と
下手《へた》な字で、「一束《ひとたば》四銭《よんせん》」と書いてある。あらゆる物....
「或る女」より 著者:有島武郎
乗って追い迫るような事はしなかった。矢頃《やごろ》を計ってから語気をかえてずっと
下手《したで》になって、
「妙にお思いになったでしょうね。わるうございましてね。....
「或る女」より 著者:有島武郎
めてその心を通わすだけの自由が与えてもらいたいという事だのが、思い入った調子で、
下手《へた》な字体で書いてあった。葉子は忘却《ぼうきゃく》の廃址《はいし》の中か....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
くり》するほど美しいものでした。ジムは僕より身長《せい》が高いくせに、絵はずっと
下手《へた》でした。それでもその絵具をぬると、
下手な絵さえがなんだか見ちがえるよ....
「星座」より 著者:有島武郎
文館の当用日記とが積んであるのを清逸は見て知っていた。机の前の壁には、純次自身の
下手糞な手跡で「精神一到何事不成陽気発所金石亦透《せいしんいっとうなにごとかなら....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
ならば、実行に先立って議論が戦わされねばならぬ時期にあっては、労働者は極端に口|
下手《べた》であったからである。彼らは知らず識らず代弁者にたよることを余儀なくさ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
見ます。その絵を作り上げて送りますから見てください。……絵が好きなんだけれども、
下手だからだめです」 私の答えないのを見て、君は自分をたしなめるように堅いさび....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い。そんなことでは縦令お前がどれ程|齷齪して進んで行こうとも、急流を遡ろうとする
下手な泳手のように、無益に藻掻いてしかも一歩も進んではいないのだ。地球の内部が残....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
あるのであって、決して最新の学説を紹介するためではないのであるから、むしろここで
下手な訳者注などを付けることは断念して、その代りにできる限り原著の面影をその純粋....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
実は自然の順序よき発展によるべきことを忘れず、最も着実な実行を期するものである。
下手に出れば相手はつけあがるなどと恐れる人々は、八紘一宇を口にする資格がない。 ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
つ。」 と、味噌椀の蓋を落して、かぶりついた糸七が、 「何だ、中味は芋※殻か、
下手な飜訳みたいだね。」 「そういうなよ、漂母の餐だよ。婆やの里から来たんだよ。....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
に陥ってしまう。どうも蛇笏君などから鞭撻を感じた往年の感激は返らないらしい。所詮
下手は
下手なりに句作そのものを楽しむより外に安住する所はないと見える。 おらが家....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
ゆるゆるとそこを去った。誰かが私がしたことを見ていたら、ああ、私は驚くべき殺人の
下手人となるのだ。 十月二十五日―― 釣師殺しは世に知れわたった。一緒に釣に....
「活人形」より 著者:泉鏡花
仏申しましょ。と殊勝らしく眼を擦り赤めてやおら病院を退出ぬ。泰助は医師に向い、「
下手人がしらばくれて、(死)をたしかめに来たものらしい。わざと化されて、怪まぬよ....