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下手に
「下手に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下手にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
実は自然の順序よき発展によるべきことを忘れず、最も着実な実行を期するものである。
下手に出れば相手はつけあがるなどと恐れる人々は、八紘一宇を口にする資格がない。 ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の空間か、どこかに望みの声がありそうだな……と思うばかり。また小児たちも、手毬が
下手になったので、終まで突き得ないから、自然長いのは半分ほどで消えています。 ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
我ものにしてしまって、誰も難有がりもしないじゃないか。 それでいて婦人はいつも
下手に就いて、無理も御道理にして通さねばならないという、そんな勘定に合わないこと....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
女中には目もくれず、甲斐絹裏の、しゃらしゃらする羽織をとって省作に着せる。省作が
下手に羽織の紐を結べば、おとよは物も言わないで、その紐を結び直してやる。おとよは....
「瘤」より 著者:犬田卯
、有志たちが十喰われるとすれば俺たちは一か、せいぜい二ぐらいのところで済むんだ。
下手に出て頭でも打割られるよりは黙って喰われていた方が安全さ。なアに、そのうちま....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
へでも引かれて、本名を名乗らせられ、それから一週間ほど前にかち得た面恥ゆい役柄を
下手に申立てたりしようものなら、僕は刑事たちのいい嗤い者になった上、僕をその役柄....
「蠅男」より 著者:海野十三
心をしますがネ」 「自首? ハッハッハッ。誰が自首なんかするものか。――とにかく
下手に手を出すと、きっと後悔しなければならないぞ」 「貴方も注意なさい。警察では....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
しいものだと躊躇《ちゅうちょ》しているのだよ。だが今度の暗殺事件が、ちょっとでも
下手に行こうものなら、直《す》ぐ様《さま》、彼奴等《きゃつら》は、君の自由を奪っ....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
窓には、電気が明るくともっていた。 「実は、なんです」支配人が口を切った。「……
下手に御説明申上げたりするよりは、いっそ実物を見て頂いたほうが、お判り願えると思....
「狐」より 著者:岡本かの子
。 一 上目黒渋谷境、鈴懸の仮寓、小さいが瀟洒とした茶室造り、
下手に鬱蒼たる茂み、上手に冬の駒場野を望む。鈴懸、炉に炬燵をかけて膝を入れながら....
「食魔」より 著者:岡本かの子
局、彼は遣り慣れた眼学問、耳学問を長じさせて行くより仕方なかった。そしていま迄、
下手に謙遜に学び取っていた仕方は今度からは、争い食ってかかる紛擾の間に相手から※....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
近く見えて来ている。下手の遠景に三上山がそれかと思うほど淡く影を現している。舞台
下手にちょっぽり枯田の畦が現れ、小さい石地蔵、施餓鬼の塔婆など立っている。雲はだ....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
七 それは聞かないでください。この芝居も幕をあけてみなければどうなるか判らねえ。
下手にやり損じると、今度は半七が腹を切らなければなりませんからね。 十右衛 でも....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
きの古びたる二重家体。破れたる壁に舞楽の面などをかけ、正面に紺暖簾の出入口あり。
下手に炉を切りて、素焼の土瓶などかけたり。庭の入口は竹にて編みたる門、外には柳の....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
と思いたまえ。 子どもの時からあまり上手でもなかったが、年を取ってからいよいよ
下手になったとみえて、小一時間も糸をおろしていたが一向に釣れない。すこし飽きて来....