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下方
「下方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
からだ。 ぎょっと驚いて今さらのように大きく目を見張った君の前には平地から突然
下方に折れ曲がった崖の縁が、地球の傷口のように底深い口をあけている。そこに知らず....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
めに光線があたかもプリズムを通るときのように曲るためである。このように気層密度の
下方への増加が、特別な場合にちょうど好都合な状態になれば、地面に平行に発した光線....
「春昼」より 著者:泉鏡花
何心なく言った顔を、訝しそうに打視めた。 出家は膝に手を置いて、 「これは、貴
下方の口から、そういうことを承ろうとは思わんでありました。」 「何故ですか、」 ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
ジョンの映画へ、隊長以下の視線があつまる。 ほんとうであった。たしかに光る棒が
下方から伸びあがってくる。春さきの筍が竹になるように伸びてくるのだった。 それ....
「海底都市」より 著者:海野十三
海底の丘かげへ、このメバル号をつけて、ゆっくり話をするとしよう」 カビ博士は、
下方《かほう》に見える乳房《ちぶさ》の形にこんもりもりあがった白い丘陵《きゅうり....
「火星探険」より 著者:海野十三
しつけて、顔色も蒼白に言葉もなく、ぶるぶる慄《ふる》えている。八つの目は、遙かに
下方に向けられている。下には美しいコロラド大峡谷の全景があった。 ふしぎだ。夢....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
るのが見えるだろう」 と、魚戸は指を下の方に指した。 僕は欄干につかまって、
下方を覗きこんだ。曲面を持った凹レンズ式の展望窓は、本艇の尾部の方を残りなく見る....
「火薬船」より 著者:海野十三
歪んだようになるところまでが、いやにはっきり画面に出てきた。 画面は、それから
下方に動いて、岸少尉一行がボートへ乗りうつるところがうつり、それから画面はまた甲....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、こっちは、吻と息を吐いた。…… ――踊が上手い、声もよし、三味線はおもて芸、
下方も、笛まで出来る。しかるに芸人の自覚といった事が少しもない。顔だちも目につい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私が近づいて、そう言葉をかけましたが、敦子さまは、ただ会釈をしたのみで、黙って
下方を向いた切り、顔の色なども何所やら暗いように見えました。私はちょっと手持無沙....
「多神教」より 著者:泉鏡花
たる森の梢一処に、赤き光|朦朧と浮き出づるとともに、テントツツン、テントツツン、
下方かすめて遥にきこゆ)……見えたか。 お沢 あれあれ、彼処に――憎らしい。ああ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
を渡すにさえ、御新造さんの記念の小袖。……この方はね、踊のお師匠さんでしたとさ。
下方もお出来なすって、……貴方お聞きなさいよ。これなんだから、天狗様に熱を吹かれ....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
したように崩れかかっている急渓谷、これが又四郎谷「信濃、又四郎谷、嘉門次」、やや
下方に、ざあ、ざっと水の流るる音、これから上は、残雪の他、水を得られないとて水筒....
「活人形」より 著者:泉鏡花
通う様です。こっちの者になるかも知れません。静にしておかなければ不可せんから、貴
下方は他室へお引取下さい。警部は巡査を引連れて、静にこの室を立去りぬ。 泰助は....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
オ津の全湾および全街、脚下に平敷す。 奇峰尽頭立、低。 (すぐれた峰の頂に立ち、
下方に遼市をみる。脚下に全市が横たわり、あたかも地図を見る思いがした。) ひと....