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下書
「下書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
図太い男を創る。たまもの也。(家兄ひとり、面会、対談一時間。) 十二日。 試案
下書。 一、昭和十一年十月十三日より、ひとつき間、東京市板橋区M脳病院に在院。パ....
「狂言の神」より 著者:太宰治
したに隠されていたものである。案ずるに、かれはこの数行の文章をかれ自身の履歴書の
下書として書きはじめ、一、二行を書いているうちに、はや、かれの生涯の悪癖、含羞《....
「東京だより」より 著者:太宰治
は、そのつまらぬ腹案を私に情熱を以て語って聞かせ、またその次には、さらにつまらぬ
下書の画を私に見せ、そのために私は彼からしばしば呼出しを受けて、彼の工場に行かな....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
一大打撃だった。 大正十三年の劈頭一月七日、先年押詰って出した保釈願に対する却
下書が配布された。そして二月には保釈|所か、 「右の者(支倉を指す)に対する拘留....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
五十|駄、稗五十駄ずつの御救助を仰ぎたい。願書の主意はこれらのことに尽きていた。
下書きはできた。やがて、下四宿の宿役人は妻籠本陣に寄り合うことになった。馬籠から....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
郎兵衛が百姓仲間に示したというものの写しである。尾州藩の方へ差し出す嘆願趣意書の
下書きとも言うべきものである。それには新紙幣の下落、諸物価の暴騰などについて、半....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
くはいろいろなことに費やされた。明治五年の二月に、彼は早くも筑摩県庁あて嘆願書の
下書きを用意したが、いかに言っても郡県の政治は始まったばかりの時で、種々な事情か....
「家」より 著者:島崎藤村
た。お雪は炉辺の食卓の上に豆の莢を置いて、一つずつその両端を摘切った。 お福は
下書を持って静かな物置部屋の方から出て来た。 「姉さん、これで可くッて?」とお福....
「東京八景」より 著者:太宰治
つのまにか、止めてしまった。手紙は、やはり下手であった。書きたがらなかった。私が
下書を作ってやった。あねご気取りが好きなようであった。私が警察に連れて行かれても....
「猿面冠者」より 著者:太宰治
、学者でもなんでもないの。これだけ書くのにも、ずいぶん考えたし、なんどもなんども
下書しました。あなたがよい初夢とよい初日出をごらんになって、もっともっと生きるこ....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
れほど不都合な事ではないという事が初めから明らかに理解されている証拠である。また
下書きなどをしてその上を綺麗に塗りつぶす月並なやり方の通弊を脱し得る所以であるま....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
のである。 新しい墓が出来た。義兄は姉の法名、佳室妙豊大姉というのを彫りつける
下書きを文人的凝り性から、何百枚も書き直しては丹念に書いていた。 これが私が肉....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
御婦人に宛てる手紙だけは原稿用紙は使わない、レター・ペーパーを用いる、原稿用紙は
下書きにすぎないから、と言う。私は初め彼の言葉が理解できなかったほどだ。これも商....
「私の文学」より 著者:織田作之助
、私は幸福をすら感じている。 私がしかし、右の仕事を終った時どうなるか。私が目
下書きまくっている種類の作品を書きつくした時、私は何を書くべきか、私には今はっき....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ながら、無給で苦力の監督などを手伝わされていたが、ある日、谷口組の親分が『看板の
下書きをしろ』というのである。どうやら私の書いた寄せ木細工の大美文のことが親分の....