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下書き
「下書き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下書きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
五十|駄、稗五十駄ずつの御救助を仰ぎたい。願書の主意はこれらのことに尽きていた。
下書きはできた。やがて、下四宿の宿役人は妻籠本陣に寄り合うことになった。馬籠から....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
郎兵衛が百姓仲間に示したというものの写しである。尾州藩の方へ差し出す嘆願趣意書の
下書きとも言うべきものである。それには新紙幣の下落、諸物価の暴騰などについて、半....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
くはいろいろなことに費やされた。明治五年の二月に、彼は早くも筑摩県庁あて嘆願書の
下書きを用意したが、いかに言っても郡県の政治は始まったばかりの時で、種々な事情か....
「乳房」より 著者:宮本百合子
チェッ! すかんたらしい!」 その次の日の午後二時頃、ひろ子が二階でニュースの
下書きをしていると、誰かが一段、一段と重そうに階子をのぼって来る跫音がした。きき....
「海流」より 著者:宮本百合子
文面に髣髴《ほうふつ》としているのであった。 悌二の方は、いかにも永くかかって
下書きしたのをまた次の晩電燈の下で永い時間かけて清書したらしく、消しの一つもない....
「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
っと大衆にわかりやすい文学的言葉をつかってくれ。 二、作品の筋書、または未完成な
下書きでもいい、作家はそれを工場クラブなどの一般集会で読んで、みんなの意見や忠告....
「或る日」より 著者:宮本百合子
た。彼女は莞爾《にっこり》ともしないで眼を通した。彼が新聞に出そうと思った広告の
下書きであった。 『女中雇入れたし。家族二人。余暇有。十八歳以上。給。面談。』 ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を真黒にした。じれて足を踏みならした。ついには、言葉をむりにしぼり出し、五、六枚
下書きした後に、四方八方に曲りくねった無格好な字で、ひどい綴《つづ》りの誤りをし....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
れほど不都合な事ではないという事が初めから明らかに理解されている証拠である。また
下書きなどをしてその上を綺麗に塗りつぶす月並なやり方の通弊を脱し得る所以であるま....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
のである。 新しい墓が出来た。義兄は姉の法名、佳室妙豊大姉というのを彫りつける
下書きを文人的凝り性から、何百枚も書き直しては丹念に書いていた。 これが私が肉....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
御婦人に宛てる手紙だけは原稿用紙は使わない、レター・ペーパーを用いる、原稿用紙は
下書きにすぎないから、と言う。私は初め彼の言葉が理解できなかったほどだ。これも商....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
、毒薬や、笑い薬なども出て来て楽しいだろうにといった。そんなことも、こと細かに、
下書きをした上で、その日の日記帳に書き止められ、しかも彼女の批判がつけられてある....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
紙にも掲載されるだろうから、その費用の領収証は取り揃えてお目にかけるというような
下書きは、美妙が書いて渡した。 華やかな嵐《あらし》を捲起《まきおこ》したこの....
「私の文学」より 著者:織田作之助
、私は幸福をすら感じている。 私がしかし、右の仕事を終った時どうなるか。私が目
下書きまくっている種類の作品を書きつくした時、私は何を書くべきか、私には今はっき....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ながら、無給で苦力の監督などを手伝わされていたが、ある日、谷口組の親分が『看板の
下書きをしろ』というのである。どうやら私の書いた寄せ木細工の大美文のことが親分の....