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下様
「下様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「朱日記」より 著者:泉鏡花
すに、北風のこう烈しい事は、十年|以来にも、ついぞ覚えませぬ。いくら雪国でも、貴
下様、もうこれ布子から単衣と飛びまする処を、今日あたりはどういたして、また襯衣に....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
なされ、其上金銀を下され、剰へその在所の内にて当年は作り取に仕り(後略) 一、天
下様仰出でられ候は(中略)、切利支丹の儀は、当歳子によらず御果しなされ候に相定め....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
の奴等を斬っちょるんじゃ。その山県狂介は今、なんになっておると思うかよ。陸軍の閣
下様でハイシイドウドウと馬の尻を叩いているじゃないかよ。伊藤俊輔にも頼まれてふた....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
いきなり理不尽に割り込んでござらしたのがこの旦那衆で……。」 喧嘩の片われは、
下様な雑人だと見えて、言葉つきにどことなく自ら卑下したところがあった。他の一人が....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
ょうか。内々のもので、客ではござりません。お部屋へ知れますと悪うござりますが、貴
下様思召で、)と至って慇懃です。 資本は懸らず、こういう時、おのぼりの気前を見....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃあるめえ、甲州街道の鶴川だろう、手前たちがこの川を持ってるわけじゃあるめえ、天
下様の往来だい、俺らが通ってナゼ悪いんだ、渡し賃が要《い》るならくれてやらあ、手....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
折|久留島様と云うお旗下へ御養女においでなすったお方で、維新になりましてからお旗
下様は御商法を始めて結構なお暮しでございましても、何処か以前のお癖がありますから....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
してな。わたくしは根から生まれついての道化で、まあ気違いも同然でございますな、猊
下様、こりゃあきっと、わたくしの中には悪魔が住んでおるのに違いございません。もっ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ました。これがまたペルー式で、上部の二十四箇程は実に美事でありましたが、下は上中
下様々で到底都会に出し得る商品価値がありませんので、私が提言して青森から技師を招....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
造られた明り窓で、そこに灯火が置いてあると見え、そこから鈍い琥珀色の光が、部屋を
下様に照らしていた。それにしても天井が蒲鉾形に垂れ、それにしても四方の黒い壁が、....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
杉の局と命名され、寵を一身に集めることになった。もうこうなっては仕方がなかった。
下様の眼から見る時は、将軍といえば神様であった。神様の覚し召しとあるからは、厭も....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
妙な――調伏の証拠を掘り出して、咎めを蒙るとは」
「地頭には勝てませぬ。して、貴
下様は、何用で、御江戸へ」
池上は、腕組して暫く黙っていたが
「御内室を見込ん....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
られける。大名小名是を承はり給ひてこは珍敷々々面白きご興行かな、いかにとしてか殿
下様へ、お茶をば申べき、望ても叶べき事ならず、かゝる御意こそ有難けれと、右近の馬....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
頗る盛会に候。小生「野分」をかいたからこの次は何をかこうかと考え居り候。何だか殿
下様より漱石の方がえらい気持に候。この分にては神様を凌ぐ事は容易に候。人間もその....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
わち大御田であります。この「おおみ」という敬語は、鄭寧な言葉でありますが、今では
下様のものでも軽々しく用いております。我々風情のものの足のことをも、時としては他....