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「下歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
「御米、おれは歯の性《しょう》がよっぽど悪いと見えるね。こうやると大抵動くぜ」と下歯を指で動かして見せた。御米は笑いながら、 「もう御年のせいよ」と云って白い襟....
」より 著者:岡本かの子
のを好まなかった。おやつにはせいぜい塩|煎餅ぐらいを望んだ。食べるときは、上歯と下歯を叮嚀に揃え円い形の煎餅の端を規則正しく噛み取った。ひどく湿っていない煎餅な....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
ザブンと一思いに身を沈めた。熱過ぎる位の湯加減である。頤の辺まで湯に漬りながら、下歯をガクガクと震わせながら、しかも彼は身動きすることを怖れて、数瞬じいっと耐え....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
やは、七月三日より本日まで約五十余日滞留し、その間にかなり身体は伸び体重は殖え、下歯二本生え、えんこが出来るようになり、人の顔が十分覚えられるようになり、いい顔....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
あり、医師の手によって抜かれたのもあり、年々に脱落して、現在あます所は上歯二枚と下歯六枚、他はことごとく入歯である。その上歯二枚が一度に抜けたのであるから、上頤....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
声をかけたり、地謡を謡ったりしているうちに、翁の上顎の義歯が外れ落ちてガチャリと下歯にぶつかる事が度々であった。 「衣笠山……ガチャリ。モグモグ……ムニャムニャ....
縁結び」より 著者:泉鏡花
身体は平気で、石段、てく、てく。 ニノ眼ハ朱ヲ解テ。鏡ノ面ニ洒ゲルガゴトク。上下歯クイ違テ。口脇耳ノ根マデ広ク割ケ。眉ハ漆ニテ百入塗タルゴトクニシテ。額ヲ隠シ....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
云う訳か楊枝が四本あります、一本へ歯磨を附けまして歯の齦と表を磨き、一本の楊枝で下歯の表を磨き、又一本の楊枝で歯の裏を磨き、小さい楊枝が有りまして、これで歯の間....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
止まなかった。――彼女は美事な歯並を持っていた。上下揃った細い真白な歯並で、而も下歯が上歯の奥にはいり込んで合さるということがなかった。上歯の先端と下歯の先端と....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
沢子は少し身を退いて、薄い毳《むくげ》のありそうな脹れた唇を歪み加減に引結んで、下歯の先できっと噛みしめていた。 昌作は堪え難い気持になった。顔が赤くなった。....
不肖の兄」より 著者:豊島与志雄
に、皿のものをみな平らげ、鍋のものを盛につっつき、そして四五杯も飯を食った。その下歯の、犬歯の前に一本、黒い齲歯《むしば》があった。歯医者にでもかかったらよさそ....
はなしの話」より 著者:岡本綺堂
あり、医師の手によって抜かれたのもあり、年々に脱落して、現在あます所は上歯二枚と下歯六枚、他はことごとく入歯である。その上歯二枚が一度に抜けたのであるから、上頤....