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下男
「下男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下男の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
伝吉は父を葬《ほうむ》った後《のち》、長窪《ながくぼ》にいる叔父《おじ》のもとに
下男《げなん》同様に住みこむことになった。叔父は枡屋善作《ますやぜんさく》(一説....
「母」より 著者:芥川竜之介
いだ》に女中が取り捨ててしまう。二階三階の真鍮《しんちゅう》の手すりも、この間に
下男《ボオイ》が磨くらしい。そう云う沈黙が拡《ひろ》がった中に、ただ往来のざわめ....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
父母に別れたので、幼少の時から、土地の乙名三郎治《おとなさぶろうじ》と云うものの
下男《げなん》になった。が、性来|愚鈍《ぐどん》な彼は、始終朋輩の弄《なぶ》り物....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
わたしは彼等の利己主義に驚嘆に近いものを感じている。成程彼等には尊徳のように
下男をも兼ねる少年は都合の好い息子に違いない。のみならず後年声誉を博し、大いに父....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
すれば総菜畠《そうざいばたけ》の芋《いも》も掘《ほ》る、近い所へは車夫も勤めた、
下男兼帯《げなんけんたい》の熊蔵という、その頃《ころ》二十四五|歳《さい》、稀塩....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
王女 (笑い出す)それはそのはずですわ。そんな古いマントルを着ていらっしゃれば
下男か何かと思われますもの。 王子
下男!(落胆したように坐ってしまう)やはりこ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
通だろう。貴女の父の少い妾は、貴女のその恐しい蛇の姿を見て気絶した。貴女の父は、
下男とともに、鉄砲をもってその蛇を狙ったではありませんか。渠等は第一、私を見てさ....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
つもりの、彼奴等の甘さが堪らん。が、俺たちの為す処は、退いて見ると、如法これ下女
下男の所為だ。天が下に何と烏ともあろうものが、大分権式を落すわけだな。 二の烏 ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
柳の間に懸った。 紫玉は恭しく三たび虚空を拝した。 時に、宮奴の装した白丁の
下男が一人、露店の飴屋が張りそうな、渋の大傘を畳んで肩にかついだのが、法壇の根に....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
腕車でお乗込み、天上ぬけに美い、と評判ばかりで、私等ついぞお姿も見ませなんだが、
下男下女どもにも口留めして、秘さしったも道理じゃよ。 その嬢様は落っこちそうな....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た処が、薄暮合の山の凄さ。……天秤かついだ己が形が、何でございますかね、天狗様の
下男が清水を汲みに山一つ彼方へといった体で、我ながら、余り世間離れがした心細さに....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
診を養子に取立ててあったのが、成上りのその肥満女と、家蔵を売って行方知れず、……
下男下女、薬局の輩まで。勝手に掴み取りの、梟に枯葉で散り散りばらばら。……薬臭い....
「もみの木」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
びだしました。それから、かなりらんぼうに床のうえになげだしました。やがてひとりの
下男が、それをそのままはしごだんのほうへひきずっていきました。こうしてもみの木は....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
八月二十二日―― 私はもう辛抱が出来ない。ためしにまず小鳥を一羽殺してみた。
下男のジャンが、ひわを一羽籠に入れ、窓のところにぶら下げていた。私はジャンを使い....
「活人形」より 著者:泉鏡花
云々と呟きたるが、第一回の始まりなり。 この時赤城得三も泰助と同じ終汽車にて、
下男を従えて家に帰りつ。表二階にて
下男を対手に、晩酌を傾けおりしが、得三何心無く....