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「下界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
るしへる」より 著者:芥川竜之介
くみ》せず、ここにおいて DS「るしへる」を初とし、彼に与せし三分の一の安助をば下界へ追い下し、「いんへるの」に堕せしめ給う。即《すなわち》安助高慢の科《とが》....
外科室」より 著者:泉鏡花
別違ったもんだ。ありゃもう自然、天然と雲上《うんじょう》になったんだな。どうして下界のやつばらが真似《まね》ようたってできるものか」 「ひどくいうな」 「ほんの....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ばまでいかないと、階段や曲がり角や広間があることがわからない。なるほど、これでは下界から見あげても、天井や吊り橋などが見わけられないはずだ。 「ハイロ君。はやく....
火星探険」より 著者:海野十三
ゃないか」 「あーあ、困ったなあ」 さっきから河合ひとりは黙りこんで、しきりに下界の様子と、どこからともなく聞こえてくる機械的な音に耳をすませていたが、このと....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
からさしこんでいる。 高度は、今しがた七千メートルを高度計のめもりがしめした。下界は、はばのひろい濃いみどり色のもうせんをしいたように見え、そのもうせんの両側....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
細道をすれ違った時、蕈に敷いた葉を残した笊を片手に、行く姿に、ふとその手鍋提げた下界の天女の俤を認めたのである。そぞろに声掛けて、「あの、蕈を、……三銭に売った....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
さしかわす、桂の枝を引寄せて、それに縋って御殿の外へ。 空に浮んだおからだが、下界から見る月の中から、この世へ下りる間には、雲が倒に百千万千、一億万丈の滝とな....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、鈍い稲妻形に畝って、狭い四角から坂の上へ、にょい、と皺面を出した…… 坂下の下界の住人は驚いたろう。山の爺が雲から覗く。眼界|濶然として目黒に豁け、大崎に伸....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
絵の天人が、蓮華の盥で、肌脱ぎの化粧をしながら、「こウ雲助どう、こんたア、きょう下界へでさっしゃるなら、京橋の仙女香を、とって来ておくんなんし、これサ乙女や、な....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に、白いものをちらちらと、人を悩す朝である。はたそれ、二階の欄干、小窓などから、下界を覗いて――野郎めが、「ああ降ったる雪かな、あの二人のもの、簑を着れば景色に....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、片袖さえ、美しき夫人の姿を、何処に隠すべくも見えなかった。 廉平は小さなその下界に対して、高く雲に乗ったように、円く靄に包まれた丘の上に、踏はずしそうに崖の....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
近く、ついお隣同士が往きかいするのと大してちがったことではありません。でも、この下界では心臓を電気にうたれると、からだがはたらかなくなる危険があります。ただこの....
雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いへんな数に、こまかくくだけて、とんでしまいました。ところが、これがため、よけい下界のわざわいになったというわけは、鏡のかけらは、せいぜい砂つぶくらいの大きさし....
不周山」より 著者:井上紅梅
や滑らかな高い山の上に腰をおろして、天を仰げば、満天ことごとく鱗のような白雲で、下界は一面の黒ずんだ濃い緑色である。彼女自身も、何だか判らないで、周囲がただなら....
雪柳」より 著者:泉鏡花
れで庭下駄で昇った女に手を曳かれたのでは、霧に乗った以上でしょう。 ずり落ちる下界は、自動車が(ここへは通る)待っていました。傍に、家業がら余程奇を好んだと見....