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「下種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
ゆず》に似て冬熟すれば甘美なり。『本草啓蒙』にその細子|罌粟《けし》子のごとし。下種して生じやすしとあれど、紀州などには山中に多きも少しも栽培するを見ず。しかし....
ひしがれた女性と語る」より 著者:宮本百合子
人格を無視する訳には行かなくなります。既に、左様な組織が存在すると仮定すれば、目下種々な事情から生活方針の選択に迷っている者は少くとも最後の判断は自分の心によっ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
くあるが割愛する。 医学方面の業績もまた甚だしく多い。矢追透武博士(伝研)の皮下種痘法の研究など有名なものの一つだ。新精製痘苗を皮下注射するもので、発熱期間少....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こへ申しつけさえすれば、到るところに渡りがついていて、舞台子、かげ子、野郎の上品下種《じょうぼんげしゅ》、お望み次第だということ、その来歴、遊び方、散財の方法な....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
すのが楽しみであった。で、見かけは対等のつきあいでも、その実一同にとっては全然|下種《げす》下郎にすぎなかった。それはちょうど、彼が先妻のアデライーダ・イワーノ....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
、すでに腹の畑は肥《こや》しができ、掘り起こされて土壤《どじょう》が柔かになり、下種《かしゅ》の時|晩《おそ》しと待っているところに、空飛ぶ鳥が偶然《ぐうぜん》....
女房ども」より 著者:神西清
き廻るより、この世にいる内に自分の夫の手で折檻して貰う方がまだましだ。』けれど、下種女房め耳も貸しません。いやはや頑迷なものでして、何を言おうが『あなたが好きな....
グーセフ」より 著者:神西清
騙しちまうほかはない。おれは百姓外套を着て、だぶだぶな長靴をはいて、酔っぱらいの下種面をして船会社へ行った。――『閣下さあ』とそう言ったんだ、『切符をひとつお貰....
追放されて」より 著者:神西清
『先生』は瓶からぐっと飲んで、先をつづけた。―― 「俺はね、土百姓じゃないんだ。下種の生れじゃないんだ。こう見えても助祭の息子でね、こんなことになる前にゃクール....
私本太平記」より 著者:吉川英治
緊迫した顔を硬め、手を太刀へ忍ばせていた。 けれど、安手によく笑う侍は、なお、下種な歪み笑いを面に消さずに。 「オオそれよ。また数日前には、そこな郎従とおふた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
探題直命の者どもだろう。捕吏、放免などの手ぬるさとは違って、殺到するやいな、 「下種ども、命はいらぬのか」 いきなり、矢を射浴びせて、 「かまわぬ。片っぱしか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
では、万乗の天子と、幕府も立てていたお方を、この冬ぞらに火桶一ツゆるさぬなどは、下種の復讐しにも似て、武家根性がいやしまれる。決して高時公のお為にもならぬ」 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
むらがりおりまする」 「なに、野伏が錦の旗を? ……。そんなものはとるにたらん。下種どもの擬勢だろう。……でなくば、伊吹の佐々木道誉が、お迎えのための軍ではない....
私本太平記」より 著者:吉川英治
せられい。しょせん、のがれぬところゆえ、天寿、これまでと、おあきらめあって」 「下種、身のほどこそ知れ。臣下のまた陪臣の分際で、この護良へ、なにをばかな……」 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ない相談だ。矛盾も矛盾、いやはや、ばかげきっている!」 「直義。いかにとはいえ、下種の喧嘩ではなかろうぞ。雑言はやめい!」 「やめます! いう気力もありはせぬ。....