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「下級〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下級の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
全然ない訣《わけ》ではなかった。彼は試験の度ごとに三番か四番の成績を占めた。又或下級の美少年は求めずとも彼に愛を示した。しかしそれ等も信輔には曇天を洩《も》れる....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
《しまざきとうそん》が「もっと頭《かしら》をあげて歩け」と慷慨《こうがい》した、下級官吏らしい人々が、まだ漂《ただよ》っている黄昏《たそがれ》の光の中に、蹌踉《....
或る女」より 著者:有島武郎
靴《くつ》などの調和の少しも取れていないくせに、むやみに気取った洋装をした非番の下級船員たちが、ぬれた傘《かさ》を光らしながら駆けこんで来た。その騒ぎの間に、一....
星座」より 著者:有島武郎
している。 白官舎はその市街の中央近いとある街路の曲り角にあった。開拓使時分に下級官吏の住居として建てられた四戸の棟割長屋ではあるが、亜米利加《アメリカ》風の....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
ないが手近いところで酒場ペチカの扉を押して入った。 大入満員だった。相変わらず下級の船乗の顔が多い。 「これはこれはいらっしゃいまし、ドレゴさま。奥の方にいい....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 幣原内閣も改造か総辞職の外なく一嵐なり。 共産党は本令を更に拡張し地主や下級官吏等に及ばしむべしと論ず。 戦敗国なれば、斯く入れ替るべきは当然にして、....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
ざるを得なくなる。 ▲文科大学の学費を調べたものを見ると、上中下の三級に分った下級の費用すらが年額六百円を算当してある。月に五十円を要するわけだ。駈出しの文学....
怪星ガン」より 著者:海野十三
違っている。 はやくいうと、ガン人にくらべて、地球人はもろい生物だ。そしてまた下級の生物だといわなくてはならない。このガン星において、テッド隊長やサミユル博士....
恐竜島」より 著者:海野十三
の乗組員も、こんなやすい契約の仕事は早くおしまいにしたいと思っている。今のところ下級船員たちが、恐竜のおそろしさを知らないから、わりあいにまだ船内は静かにおさま....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
イと思われる一組の客が乗っていたのです。船が、南米へ向う途中、そのスパイどもは、下級船員に金をやって、猛獣の檻をやぶらせたのです。はじめは、一さわがせやるだけの....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でございます。でもここは何ぞ縁由 のある所でございますか?』 『ここはまだ若い、下級の竜神達の修行の場所なのじゃ。俺は時々見※わりに来るので、善うこの池の勝手を....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
がしばしば行われる。 問『地上に降る霊達は、いかなる階級に属するか?』 普通は下級霊――通信者の大部分は、地上に接近せる下層の三境涯のものである。彼等は甚だ容....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ると共に下層社会に共通する悪俗汚習の病因たる精神欠陥を救うの教師を自任し、細さに下級の生活状態を究めて種々の自己流の精神医療の方法を案出して試みた。尤もこの試み....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
朝鮮出兵のときに建立したといわれる「蝋石の塔」の近くだった。彼の住んでいる家は最下級の人が住んでいる低い倉庫のような建物の一室である。 しけている。にんにくの....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
常にこの点に頭を悩まし、明治四十一年十二月軍隊内務書改正の折、その綱領に「服従は下級者の忠実なる義務心と崇高なる徳義心により、軍紀の必要を覚知したる観念に基づき....