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「下肢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下肢の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
いて、拇《おや》指などは、むしろ肉瘤といったほうが適わしいくらいである。それから下肢になると、右足は拇指だけを残して、他の四本ともペッタリ潰《つぶ》れたような形....
明暗」より 著者:夏目漱石
》へ動かしながら、透《す》き徹《とお》るもののうちに、浮いたり沈んだりする肉体の下肢《かし》を得意に眺めた。 時に突然婦人の要する勝さんらしい人の声がし出した....
放送された遺言」より 著者:海野十三
ず降りかかる。 と思ったら祐吉が恐ろしい呻きを発した。それと同時に彼の背後から下肢へかけて焼けつくような激しい痛みをおぼえたが、なおさまざまの小片がパラパラと....
振動魔」より 著者:海野十三
、頸筋から胸へかけての曲線は、世にもあでやかなスロープをなし、その二の腕といわず下肢といわず、牛乳をたっぷり含ませたかのように色は白くムチムチと肥え、もし一本の....
河明り」より 著者:岡本かの子
て濃い瞳を研ぎ澄し、じーっと見入った。豊かな肉附き加減で、しかも暢び暢びしている下肢を慎ましく膝で詰めて腰をかけ、少し低目に締めた厚板帯の帯上げの結び目から咽喉....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
で詰っている。しかし、一方伸子の肢態を考えると、腰を座深めに引いて、そこから下の下肢の部分はやや左向きとなり、上半身はそれとは反対に、幾分右へ傾いているのだ。ま....
惜別」より 著者:太宰治
躇せず、ドアをあけると、部屋には朝日が一ぱいに射し込んでいて、先生は、上肢骨やら下肢骨やら頭蓋骨やら、頗る不気味な人骨の標本どもに取巻かれ、泰然と新聞を読んで居....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
魚と同じように軽々と海を泳ぐけれども、彼らの上体が逞しく発達しているにくらべて、下肢が若干退化していることを認めざるを得ないのである。したがって、漁師の体格は健....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
で、最初にそれが、艇長の発作を死と誤らせました。なぜなら、元来その病は、上肢にも下肢にも、どちらにも片側だけに起るもので、体温は死温に等しくなり、また、脈は血管....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
るものなんですよ」法水が白々し気に云い返した。「内側へ捻れているでしょう。これで下肢が完全ですと、恰度馬の足のような形が見られるのです。それを内飜馬足とか云いま....
ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
かに光っているし、その腰は、典雅な線で、その豊満さを現しているし、それから、その下肢は、張切って、滑かだった。 「俺が、死んだなら――独身ではおれまい。」 夫....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
る点において聖林寺観音に劣らない。あの肩から腕へ、胸から胴への清らかな肉づけや、下肢に添うて柔らかに垂れている絹布のひだなどには、現実を鋭く見つめる眼のまがいな....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
銀煙管で煙草を喫っている。その上体を支えて洗い浄められた溝板の上に踏み立っている下肢は薩摩がすりの股引に、この頃はまだ珍しい長靴を穿いているのが、われながら珍し....