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下落
「下落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
り、じだんだ踏んだが、後悔は先に立たなかった。彼は今や、女大臣アサリの男妾にまで
下落しようとしている自分自身に気がついた。 それから三十分ほどたった後のことで....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
たくらいのものだろうと言ったことがあるが、今ではもっともっと社会主義者の値うちは
下落している。共産主義者だってだんだん
下落して来ている。 そしてジャン君は、ひ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
は、ことに浜口緊縮内閣の出現によって一俵七円に下り、繭のごときは一貫二円という大
下落で、この地方の重要産物である木炭のごときも四貫俵三十銭、二十五銭になってしま....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
いものになるの……?」 お加代は吐出すように言った。 「――青蛇団も随分相場が
下落したわね」 「まア、そう言うな。これでも……」 と、針助は唖の娘をまるで品....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
して山本|権兵衛を小説家にしたような男だといった。海軍問題以来山本伯の相場は大分
下落し、漸く復活して頭を擡上げ掛けると、忽ち復た地震のためにピシャンコとなってし....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
合もあろうし、また一方では本来中間階級の身分であったものが、後世一層賤者の階級に
下落したという場合もあろう。前引三島文書の「半人」はハシタビトと読み、その義が半....
「審判」より 著者:カフカフランツ
のだ。そのほかのことでいくらおれの声望が傷つけられても、母の考えではおれの価値が
下落することはないだろう。ちょうど出発の前に、裁判所とつながりさえある行員の手か....
「断食芸人」より 著者:カフカフランツ
この何十年かのあいだに、断食芸人たちに対する関心はひどく
下落してしまった。以前には一本立てでこの種の大きな興行を催すことがいいもうけにな....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
沢山来て居て本珊瑚珠と分ち得ることが出来るものですから人も欺されなくなって相場も
下落しました。けれどもやはり相当の値段に売れて居るものとみえて、続々商人がカルカ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
場のほかに果林多し。穀類の耕作地はいたってすくなし。路傍の樹木はオーク樹多く、目
下落葉最中なり。松、杉に類する樹もまた多し。人家希有にして、車行数里の間に二、三....
「街を行くまゝに感ず」より 著者:小川未明
が安い……」と言って、消費者は喜びます。これを作った百姓の喜びは、やがて、市価の
下落によって反対の悲哀を見なければならない。なぜなら商人は、彼等に対して、いつま....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
民を犠牲にすることさえあります。すなわち、国内で農作が豊年の時は、農作物の値段が
下落することを恐れて、植民地や属国から輸入される農作物をその年だけ全部現地で焼き....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
した筈である。しかるに時とともに貴族の勢力は向上して、その反対に平民の地位は段々
下落し、両者の間の距離が甚だしくなるとともに、平民と賤民との距離が相近づいて来る....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
である。彼らは実に領内の警察官であった。右のある人の説の如きも、後年彼らの価値が
下落して後の観察であるから、「漫りに権威をなす」ともいっているが、その当時にあっ....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
だとの意味でありましょう。これは広く非人と呼ばれた浮浪人の社会的地位が、だんだん
下落したについて、非公民だとのもとの意味が忘れられて、文字通り人類に非ず、畜生な....