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下衆
「下衆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下衆の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
そうしておれの姿が見えると、鼠鳴《ねずみな》きをして、はいれと言う。家の中には、
下衆女《げすおんな》の阿濃《あこぎ》のほかに、たれもいない。やがて、蔀《しとみ》....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、幹枝の高き教養と脱俗の境地に過せし素質は忽ちに自身を天人に擬して、兜羅綿の樹
下衆車苑に遊ぶの様を唱い始めたり。その聴き去るに難き美しさは、この一書を綴るの労....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
後の話で此の仏壇の事が江戸市中の評判となり、大學頭様も感心なされて、諸大名や御旗
下衆へ吹聴をなされましたから、長二の名が一時に広まって、指物師の名人と云えば、あ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
てあらわれて来た手力男の命にたとえたいような人もあった。その人の徳望と威力とは天
下衆人に卓絶するものとも言われた。けれども、磐屋の前の暗さに変わりはない。力だけ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
で》を射平らげたてふ事も先例ある。『今昔物語』巻二十六の九にいわく、加賀の某郡の
下衆《げす》七人一党として兵仗を具えて海に出で釣りを事とす、ある時風に遭《お》う....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
て相手の雑人を叱りつけた。「何だ。貴様たち。こちらは文字のある先生方じゃないか。
下衆のくせに寄ってたかって、先生方に反抗うなんて、恥知らず奴が……。」 「滅相な....
「曠野」より 著者:堀辰雄
の自慢話などをしているのをききながら、折敷《おしき》や菓子などを運んでくる男女の
下衆《げす》たちのなかに、一人の小がらな女に目をとめて、それへじっと熱心な眼ざし....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
、草に曲げているのである。 前を通ろうとして、我にもあらず立淀んだ。散策子は、
下衆儕と賭物して、鬼が出る宇治橋の夕暮を、唯一騎、東へ打たする思がした。 かく....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
。座敷など三枝家の時とそのままで武家風な作りであった。 当時、竜之介氏も他の旗
下衆の人たちと同じように一家の事も充分でなかったと見え、或る日、東雲師の家に来ら....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
、かの廃藩置県以下の諸件とともに、そのよって来るところをともにし、ひっきょう、天
下衆心の変化したるものと思うなり。ゆえにいわく、政府は人事変革の原因に非ずして人....
「読倫理教科書」より 著者:福沢諭吉
りしや。その人は果して完全高徳の人物にして、私徳公徳に欠くるところなく、もって天
下衆人の尊信を博するに足るべきや。諭吉においては、文部省中にかかる人物あるべきを....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
折れぞと、たいそうな肩持ちじゃ。わけて、吉川藩お客分片山|伯耆守久安様など、御門
下衆を大勢連れ、小倉表まで立たれるそうな」 「ほ。試合を見に」 「したが、高札に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
らす 婆娑羅扇の五ツ骨 広腰、ヤセ馬、薄小袖 日銭の質の古具足 関東武士の駕出仕
下衆、上※の際もなく 大口に着る美精好(織絹の名) 鎧、ひたたれ、なほ捨てず 弓....