下谷[語句情報] » 下谷

「下谷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下谷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
訪問を絶《た》やした事がないくらい、親しい仲になったのです。 「三浦の親は何でも下谷《したや》あたりの大地主で、彼が仏蘭西《フランス》へ渡ると同時に、二人とも前....
或る女」より 著者:有島武郎
人力車の通ったとおりの道を歩いて、はっと気がついた時にはいつのまにか、乳母が住む下谷《したや》池《いけ》の端《はた》の或《あ》る曲がり角《かど》に来て立っていた....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
》、秋の長夜《ながよ》のおりおりごとに、馴染《なじみ》の姉様《あねさま》三千で、下谷《したや》の伊達者《だてしゃ》、深川《ふかがわ》の婀娜者《あだもの》が沢山《....
天守物語」より 著者:泉鏡花
が姉さん三人ござる、一人姉さん鼓が上手。 一人姉さん太鼓が上手。 いっちよいのが下谷にござる。 下谷一番|達しゃでござる。二両で帯買うて、 三両で括けて、括けめ....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、足もやや近づいて、帽子に手を掛けていた極の悪さに、背を向けて立直ると、雲低く、下谷、神田の屋根一面、雨も霞も漲って濁った裡に、神田明神の森が見える。 と、緋....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
で、私一人じゃ可恐いんですもの。 早瀬 それ見ろ、弱虫。人の事を云う癖に。何だ、下谷上野の一人あるきが出来ない娘じゃないじゃないか。 お蔦 そりゃ褄を取ってりゃ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たのですから、その香で、消えてからどのくらい経ったかが知れますと、伺った路順で、下谷だが浅草だが推量が付くんです。唯今下すったのは、手に取ると、すぐに直き近い処....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
婆さんが口を出して、 「御隠居様は御遠方でいらっしゃるのでございますか。」 「下谷じゃ。」 「そいつあ遠いや、電車でも御大抵じゃねえ。へい、そしてどちらへお越....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
にも、これはちいッと私が知己の者の維新前後の話だけれども、一人、踊で奉公をして、下谷辺のあるお大名の奥で、お小姓を勤めたのがね、ある晩お相手から下って、部屋へ、....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ツ、) (七ツ七ツは十四じゃあないか。……) しのぶは声を合せてうたいぬ。 (下谷一番|伊達者でござる。) (五両で帯を買うて三両で絎けて、) (絎目々々に七....
良夜」より 著者:饗庭篁村
り、さらに学資も送るべし、また幸いに我が西京に留学せし頃の旧知今はよき人となりて下谷西町に住うよし、久しぶりにて便りを得たり、別紙を持参して諸事の指揮をその人に....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
。 「奴は改心したのかな。」 女房の口から漏れたところによると、A一家は東京の下谷とかで何か商売をしていたということだった。しかし東京も不景気で暮しにくいから....
三枚続」より 著者:泉鏡花
「愛吉!」 「お待ちなさい、それだ、分ってます。京橋から築地、この日本橋、神田、下谷、一度見た親はこういう人をと思わねえものはありますまい。今度あなたの代りに極....
註文帳」より 著者:泉鏡花
もっとも待たしておく筈の腕車はあったんだけれども、一体内は四ツ谷の方、あれから下谷へ駆けて来た途中、お茶の水から外神田へ曲ろうという、角の時計台の見える処で、....
雪柳」より 著者:泉鏡花
て、世に伝えたのは事実らしい。 これに続いて、 目白辺の屋敷猫を殺しむくいし事下谷辺にて浪人居宅|化霊ありし事 三州岡崎宿にて旅人|狒々に逢う事 奥州にて旅人....