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「下露〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下露の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
丹下左膳」より 著者:林不忘
行列のなかにはいって、足なみそろえていっしょに歩いていた。 藤田家重代の、松の下露の銘ある宝壺が、このときみごとに奪われたことは、言うまでもない。だが、心願の....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
みさまの、袴も春の朧染、おぼろげならぬ殿ぶりを、見初めて、そめて、恥かしの、森の下露、思いは胸に、」 と早饒舌りの一息にやってのけ、 「わあい……光邦、妖術に....
源氏物語」より 著者:紫式部
しぐれ》のように荒く降るので、傘《かさ》を源氏にさしかけさせた。惟光が、 「木の下露は雨にまされり(みさぶらひ御笠《みかさ》と申せ宮城野《みやぎの》の)でござい....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
立つものだから、その一代表のつもりで選んで置いた。「ぬばたまの黒髪山を朝越えて山下露に沾れにけるかも」(巻七・一二四一)などと較べると、やはり此歌の方が旨い。 ....
平泉紀行」より 著者:村山俊太郎
かへぬ松のあるじや武蔵坊 と、素鳥の句を録してある。 年ふれど色は変らじ松が枝の下露あびて墓標は立ちけり 私は立往生をしたという衣川と、この天地とを比べて、快....
書記官」より 著者:川上眉山
一 笆に媚ぶる野萩の下露もはや秋の色なり。人々は争うて帰りを急ぎぬ。小松の温泉に景勝の第一を占めて、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
藤房もすぐこう詠んだ。 いかにせむ たのむ陰とて 立ちよれば なほ袖ぬらす 松の下露 すると、峠のあちこちを見まわしていた季房が、とつぜん、身を刎ね起して、 ....