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下顎骨
「下顎骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下顎骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
だ手や足にも、どこかまだ老年に抵抗する底力が残っている。これは顔でも同じことで、
下顎骨《かがくこつ》の張った頬のあたりや、やや大きい口の周囲に、旺盛な動物的精力....
「或る女」より 著者:有島武郎
風《ふう》に蒼白《あおじろ》いなめらかな皮膚の、よく見ると他の部分の繊麗な割合に
下顎骨《かがっこつ》の発達した――までどこか葉子のそれに似ていたから、自意識の極....
「或る女」より 著者:有島武郎
》きになると、口と耳との間には縦に大きな溝《みぞ》のような凹《くぼ》みができて、
下顎骨《かがくこつ》が目立っていかめしく現われ出ていた。長く見つめているうちには....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ているが、もはや七十に垂んとする老人だった。無髯で赭丹色をした顔には、顴骨突起と
下顎骨が異常に発達している代りに、鼻翼の周囲が陥ち窪み、その相はいかにも醜怪で―....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の鉢が低く斜めに殺げ、さらに眉のある上眼窩弓がたかい。鼻は扁平で鼻孔は大、それに
下顎骨が異常な発達をしている。仔細に見るまでもなく男性なのである。 それはまあ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
きになると、幹太郎は、ワザと、于の尻を押してみたい気持を感じるのだった。小山は、
下顎骨が燐の毒で腐り、その上、胸を侵され、胴で咳をしていた。于は、人を小馬鹿にし....
「遺書に就て」より 著者:渡辺温
てみたくなる。 『此処に打撲傷があります。』と刑事は死人の顎をぐいと持ち上げた。
下顎骨の左の方に暗紫色の痕が見える。 『めりけんを喰ったのではないでしょうか?』....
「穴」より 著者:黒島伝治
撥しながら、知らず/\素直におど/\した返事をした。 「そのまゝこっちへ来い。」
下顎骨の長い、獰猛に見える伍長が突っ立ったまゝ云った。 彼は、何故、そっちへ行....
「氷河」より 著者:黒島伝治
ていたが、彼は、それよりさきに、大男のメリケン兵を三人ぶち斬っていた。 中尉は
下顎骨の張った、獰猛な、癇癪持ちらしい顔をしていた。傷口が痛そうな振りもせず、と....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
!」新子は、無愛想に、広い聡明な額のうすい細い眉をひそめて、そちらを振りむいた。
下顎骨が形よく精巧に発達していて、唇が大きかった。のどかそうな、それでいてひどく....