下駄[語句情報] »
下駄
「下駄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下駄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
に僕等に挨拶《あいさつ》した。
「さようですか? では皆さんによろしく。どうもお
下駄《げた》も直しませんで。」
僕等はもう日の暮に近い本所の町を歩いて行った。....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
出た時はまっ暗だった。その中に細かい雨が降っていた。自分は門を出ると同時に、日和
下駄《ひよりげた》をはいているのに心づいた。しかもその日和
下駄は左の前鼻緒《まえ....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
》のミイラのような洗たくせっけんもある。草ぼうきもあれば杓子《しゃくし》もある。
下駄《げた》もあれば庖刀《ほうとう》もある。赤いべべを着たお人形さんや、ロッペン....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ろ》かせた事は、あり余るほど沢山ある。
「それから毛利先生は、雨が降ると、洋服へ
下駄《げた》をはいて来られるそうです。」
「あのいつも腰に下っている、白い手巾《....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
す。半之丞はこの独鈷の前にちゃんと着物を袖《そで》だたみにし、遺書は側《そば》の
下駄《げた》の鼻緒《はなお》に括《くく》りつけてあったと言うことです。何しろ死体....
「路上」より 著者:芥川竜之介
」と、声をかけた。
三
「やあ、失敬。」
大井《おおい》は
下駄箱《げたばこ》の前に立止ると、相不変《あいかわらず》図太い声を出した。が、そ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
…一時間ばかりたった後《のち》、手拭《てぬぐい》を頭に巻きつけた僕等は海水帽に貸
下駄《かしげた》を突っかけ、半町ほどある海へ泳《およ》ぎに行った。道は庭先をだら....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
五時少し前でしたが、その時妙な事があったと云うのは、小僧の一人が揃えて出した日和
下駄《ひよりげた》を突かけて、新刊書類の建看板が未に生乾きのペンキの※《におい》....
「或る女」より 著者:有島武郎
りふし横ざしに葉子に照りつける朝の光線をさえぎった。
紺の飛白《かすり》に書生
下駄《しょせいげた》をつっかけた青年に対して、素性《すじょう》が知れぬほど顔にも....
「或る女」より 著者:有島武郎
あるだけにきょうはことさらそれがにぎやかなのかもしれない。戸外にはぽくりやあずま
下駄《げた》の音が少し冴《さ》えて絶えずしていた。着飾《きかざ》った芸者たちがみ....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
を始めるのを待つともなく待ちかまえていた。ところがそれよりも先にけたたましい日和
下駄の音が、改札口の方から聞え出したと思うと、間もなく車掌の何か云い罵る声と共に....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
けたように高く左様なら」と云い合いて、別れ別れに一方は大路へ、一方は小路へ、姿を
下駄音と共に消すのも、満更厭な気ばかり起させる訳でもない。 私も嘗て、本郷なる....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
知り、反って親しみを増せし事あり。部屋は根津界隈を見晴らす二階、永井荷風氏の日和
下駄に書かれたると同じ部屋にあらずやと思う。その頃の先生は面の色日に焼け、如何に....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
覚悟を極しならんと身を潜まして窺うに、幾度か欄干へ手をかけて幾度か躊躇し、やがて
下駄を脱ぎすつる様子に走り倚りて抱き留めたり。振り放さんと※けば、「さようでもあ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
う両国へ引き返しながら、偶然「泰ちゃん」の家の前を通りかかった。 「泰ちゃん」は
下駄屋の息子である。僕は僕の小学時代にも作文は多少上手だった。が、僕の作文は――....