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不便
「不便〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不便の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
さかあの人でもなかろうよ。」
「親のせんぎはともかく、あのからだじゃ何かにつけて
不便だろう。」
「そりゃ、どうにでもしかたはあるのだけれど、あれが不承知なのだか....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
の軽蔑を買っているように。
僕は三人の夫と共に、一人の妻を共有することに少しも
不便を感じていない。他の三人もまた同様であろう。妻はこの四人の夫をいずれも過不足....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
いた。
内供が鼻を持てあました理由は二つある。――一つは実際的に、鼻の長いのが
不便だったからである。第一飯を食う時にも独りでは食えない。独りで食えば、鼻の先が....
「河童」より 著者:芥川竜之介
童の身長に合わせてありますから、子どもの部屋《へや》に入れられたようにそれだけは
不便に思いました。
僕はいつも日暮れがたになると、この部屋にチャックやバッグを....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
っともはいりたくはない。」
「負惜しみばかり云っていらあ。田舎《いなか》へ行けば
不便だぜ。アイスクリイムはなし、活動写真はなし、――」
洋一は顔を汗ばませなが....
「或る女」より 著者:有島武郎
った。ことに時節が時節がら正月にかかっているから、そういうものの設立にはいちばん
不便な時らしくも思われた。木村を利用してやろう。
しかし葉子の心の底にはどこか....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
もとよりすべての物資は東|倶知安《くっちゃん》から馬の背で運んで来ねばならぬ交通
不便のところでした。それが明治三十三年ごろのことです。爾来《じらい》諸君はこの農....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
はずである。同じ町内に同じ名の人が五人も十人もあった時、それによって我々の感ずる
不便はどれだけであるか。その
不便からだけでも、我々は今我々の思想そのものを統一す....
「親子」より 著者:有島武郎
ところがこれっぱかりの地面をあなたがこの山の中にお持ちになっていたところで万事に
不便でもあろうかと……これは私だけの考えを言ってるんですが……」 「そのとおりで....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
都合を来す結果になるかも知れない。又表面的な進歩ばかりをめやすにしている社会には
不便を起すことがあるかも知れない。然しお前はそれを気にするには及ばない。私は明か....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
竜神様が附いて居られます。ドーもこちらの世界のお仕事は、人霊のみでは何彼につけて
不便があるのではないかと存じられます。 さて産土の神様のお任務の中で、何より大....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
や」などが壊れても、部分的な破損を補う事が不可能で、全部新規に買入れねばならない
不便があった。石油なども口を封蝋で缶してある大きな罎入を一缶ずつ購めねばならなか....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
けだ。それもまだまだ文章の上では併用されている。音文字が採用されて、それで現すに
不便な言葉がみんな淘汰される時が来なくちゃ歌は死なない。 B 気長い事を言うなあ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
よりて作れる三十ないし四十個の電池なるも、これにては大に過ぎ、郊外にて用うるには
不便に候。これと同様の働きを二個の螺旋にてはなし得まじく候や。もしなし得るものと....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
と思うが、断崖にかけてある樋を渡って母にしかられた思い出だ。三宅島は火山島で水に
不便だ。清水を部落までひく樋がよく谷間にかかっている。私の渡った樋は高さ数十丈、....