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不具
「不具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不具の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
のままに、うつくしい男になったが、おれはそのために片目つぶれた、生まれもつかない
不具になった。その醜い、片目のおれが、今まで沙金の心を捕えていたとすれば、(これ....
「或る女」より 著者:有島武郎
い出させられて見ると、急にその老水夫の事が心配になり出したのだった。足はとうとう
不具になったらしいが痛みはたいていなくなったと水夫長がいうと葉子は始めて安心して....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ち》は取留《とりと》まり、三日ばかりで血も留ったが、とうとう腰が抜けた、もとより
不具《かたわ》。
これが引摺《ひきず》って、足を見ながら情なそうな顔をする。蟋....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
てよ、可愛い、可憐いものなら、なぜ命がけになって貰わない。 結婚をしたあとで、
不具になろうが、肺病になろうが、またその肺病がうつって、それがために共々倒れよう....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
月の影もささず、下に向えば真の暗黒。男が、足を踏みはずし、壇を転がり落ちまして、
不具になどなりましては、生効もないと存じます。上を見れば五重のここより、幽にお燈....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、生命に別条はなかった。が、その時の大火傷、享年六十有七歳にして、生まれもつかぬ
不具もの――渾名を、てんぼう蟹の宰八と云う、秋谷在の名物|親仁。 「……私が爺殿....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
右が白眼で、ぐるりと飜った、しかも一面、念入の黒痘瘡だ。 が、争われないのは、
不具者の相格、肩つきばかりは、みじめらしくしょんぼりして、猪の熊入道もがっくり投....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
におつかい姫を、鉄砲で撃った猟夫は、肝を潰しただけで、無事に助かった。旦那はまず
不具だ。巣を見るばかりで、その祟りは、と内証で声をひそめて、老巫女に伺を立てた。....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
ございました。来るものも一生奉公の気なら、島屋でも飼殺しのつもり、それが年寄でも
不具でもございません。 (色の白い、美しいのがいいいい。) と異な声で、破風口....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
知ってる、僕は自分|極めかも知らないが、お前さんの心は知ってる意だ。情無い、もう
不具根性になったのか、僻も出て、我儘か知らぬが、くさくさするので飛んだことをした....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
頭の上へ立てて、蠢めいた頤髯のある立派な紳士は、附元から引断れて片足ない、まるで
不具の蟋蟀。 もう、一面に算を乱して、溝泥を擲附けたような血の中に、伸びたり、....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
歩行きますと、御存じのお客様は、あの小按摩の通る時は、どうやら毛の薄い頭の上を、
不具の烏が一羽、お寺の山から出て附いて行くと申されましたもので。――心掛の可い、....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
の雪ほどに、世に知られたと申す意味ではないので――これは後言であったのです。……
不具だと言うのです。六本指、手の小指が左に二つあると、見て来たような噂をしました....
「迷信解」より 著者:井上円了
につきてよく吟味すれば、大抵その原因が分かる。また、中には家族中の白痴と呼ばれ、
不具者と称せらるるものより起こることもある。しかしてその本心は、なにがためにする....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ランスおよびイタリアにては、寺院の門前に必ず乞食ありて愛を請う。そのうち、廃疾、
不具の者最も多し。
不具にして乞食に巧みなるものは、毎日平均、仏貨十フラン(わが金....