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不利
「不利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不利の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
のするがままに任せていた。葉子はもとより夫人のあわてたこの処置が夫人には致命的な
不利益であり、自分には都合のいい仕合わせであるのを知っていたからだ。案のじょう、....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
。その晩広岡を村で見かけたものは一人もなかった。賭場にさえいなかった。仁右衛門に
不利益な色々な事情は色々に数え上げられたが、具体的な証拠は少しも上らないで夏がく....
「弓町より」より 著者:石川啄木
しに自分で自分の境遇そのものに非常な力を出して反抗を企てた。その反抗はつねに私に
不利な結果を齎《もたら》した。郷里《くに》から函館《はこだて》へ、函館から札幌《....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、僕は饒舌りやしないよ。僕は決して饒舌らんさ。秘密で居ることを知ってるから、君の
不利益になるような事は云わないがね、妹たちが知ってるんだ。どこかで聞いて来てたも....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
わることであってただ奴隷にのみふさわしいものであるというような考えがあったことが
不利な影響を生じたのであった。その後にまた自然探究の嫌いなアテンの哲学学派のため....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
たろうと考えられるが、ドイツの大奇襲にあい、スターリン陣地内に大打撃を受けて作戦
不利に陥り、まさにモスコーをも失おうとしつつある。しかしスターリンが決心すれば、....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
って送付している。この無根の報道によって前記三名がその将来においてこうむる社会的
不利益はおそらく我々の想像を絶するものであろう。 なおこの協定には以上のほか種....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
―われわれをはじめ、お客様にも、敵意を持たれますというと、何かにつけて、不便宜、
不利益であります処から。……は。」 「分りました、ごもっともです。」 「ですが、....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
せん。そしてまた、よほど、利口な人達でも、少しでも好意を持ち出したら、二人の間に
不利益な、または不快な、と思われる事柄にはなるべく触れまいとします。これが普通の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
うが、しかし日曜日は、却って一層心霊実験に適当せぬらしい…………。』 日曜日の
不利――げに日曜日は、われ等に取りて好適な日とは言われない。精神肉体がその緊張を....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
彼女は秀才の阿Q駆逐の一節を持ち出さなかったが、これだけでも阿Qに取っては非常に
不利益であった。最先きに村役人が尋ねて来て、彼の幕を奪った。阿Qは趙太太に見せる....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
さぬ罪を己の犯行として自白しかかった。ああ。正義よ。 十一月十五日―― 甥に
不利となる証拠がたくさんある。彼は殺された叔父の相続人となるはずだった。私は重罪....
「妖怪学」より 著者:井上円了
この怪事の、あるいは愚民の固信するところとなりて、ために文明の進歩を害し、社会の
不利を生ずることあらんことを恐れ、また、これに乗じてますます愚民を誑惑して私利を....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
教上最も必要なる機密なり。もし、政治と宗教と同時に大変動を生ずるに至らば、国家の
不利またこれより大なるはなし。これ、政治家の注目せざるをえざる要点なり。今、余が....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
式ではないが止むを得ない。ローマ共和国時代は、戦争の場合独裁者を臨時任命してこの
不利を補わんとした事はなかなか興味ある事である。 ドイツ、ロシヤ等の君主国に於....