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不動
「不動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
けるようにして、勢いよく姿を現した。そうしてそれが俊助の顔を見ると、いきなり直立
不動の姿勢をとって、愛嬌《あいきょう》のある挙手《きょしゅ》の礼をして見せた。こ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
くれ。」
こう云われた堀尾一等卒は、全身の筋肉が硬化《こうか》したように、直立
不動の姿勢になった。幅の広い肩、大きな手、頬骨《ほおぼね》の高い赭《あか》ら顔。....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
たようじゃ。が、赦免の下《くだ》らぬものは、何をどうしても、船へは乗れぬ。おれは
不動心を振い起しながら、何故《なぜ》おれ一人赦免に洩《も》れたか、その訳をいろい....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
まれた田舎《いなか》のことを思い出していた。五十円の債券を二三枚買って「これでも
不動産《ふどうさん》(!)が殖《ふ》えたのだからね」などと得意になっていた母親の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の声が勇ましく聞こえだす。漁夫たちの群れもお内儀さんたちのかたまりも、石のような
不動の沈黙から急に生き返って来る。 「出すべ」 そのさざめきの間に、潮で※び切....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
しさを感じ、力一ぱい彼の頬を擲りつけた。Sはちょっとよろめいたものの、すぐにまた
不動の姿勢をした。 「誰が外から持って来たか?」 Sはまた何とも答えなかった。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
あるいは半球形であって、その水の上に浮んでいるものと考えられていた。その上方には
不動な天の穹窿が横たわり、それに星辰が固定されていた。しかしこの天蓋までの高さは....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
劣らないのみならず、皇祖皇宗によって簡明に力強く宣明せられた建国の大理想は、民族
不動の信仰として、われらの血に流れている。しかも適度に円満に南種の血を混じて熱帯....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
。辻には長唄の流しも聞えた。 この七の日は、番町の大銀杏とともに名高い、二七の
不動尊の縁日で、月六斎。かしらの二日は大粒の雨が、ちょうど夜店の出盛る頃に、ぱら....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
れから気を着けて、お知合のお医者様へいらっしゃるというのは嘘で、石滝のこちらのお
不動様の巌窟の清水へ、お頭を冷しにおいでなさいますのも、存じております。不自由な....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と右申上げたようなところでございます。これ等の神々の外に、この国には観音様とか、
不動様とか、その他さまざまのものがございますが、私がこちらで実地に査べたところで....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。それは例外なしに、上へ上へと前進の一路を辿り、そしてそれは例外なしに、永遠
不動の法則によりて支配せられる。何人も寵児として特別の待遇に浴することなく、又何....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
あり、その一人娘で菊枝という十六になるのが、秋も末方の日が暮れてから、つい近所の
不動の縁日に詣るといって出たのが、十時半過ぎ、かれこれ十一時に近く、戸外の人通も....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
へい、盗人だって気に入るのがあるし、施をする奴に撲倒してやりたいのがありますね。
不動様は贔屓ですが、念仏は大嫌。水ごりを取ってそれが主人のためなんだと聞いたって....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
あった。殊に日蓮聖人の「前代未聞の大|闘諍一|閻浮提に起るべし」は私の軍事研究に
不動の目標を与えたのである。 戦闘法が幾何学的正確さを以て今日まで進歩して来た....