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不動産
「不動産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不動産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
まれた田舎《いなか》のことを思い出していた。五十円の債券を二三枚買って「これでも
不動産《ふどうさん》(!)が殖《ふ》えたのだからね」などと得意になっていた母親の....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
の財産は、お島などの不断考えているよりは、※《はるか》に大きいものであった。動産
不動産を合せて、十万より凹《へこ》むことはなかろうと云うのであった。床下の弗函《....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
、安二郎にその資本三百円の借用を申し込んだ。安二郎はその家が借家ではなく、そこの
不動産だと確かめると、それを抵当に貸し付けた。その金がいつの間にか二千五百円を出....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
田を何町歩持っている。それは何かにつれて、すぐ、村の者の話題に上ることだ。人は、
不動産をより多く持っている人間を羨んだ。 それが、寒天のような、柔かい少年の心....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ものに面を向ける事が出来ないのであろうか。 裁判長は終始厳正の態度を持しつゝ、
不動産を売却する事につき尽力したる事ありや、四十通余の文書を隠したる事実ありや、....
「縮図」より 著者:徳田秋声
あろうか。多分戦争でもすめば、日本の財界はすばらしい景気になり、自分のもっている
不動産も桁はずれに値があがり、世界戦以上の黄金時代が来るものと楽観しているであろ....
「安重根」より 著者:谷譲次
て鼾をかいている。長い間がつづく。 安重根 おやじの安泰勲が倹約家で、少しばかり
不動産があってねえ、鎮南浦に残して来た僕の家族は、それで居食いしているわけだが、....
「函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
さい疎外されているのである。 わが国で年々火災のために灰と煙になってしまう動産
不動産の価格は実に二億円を超過している。年々火災のために生ずる死者の数は約二千人....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
うも変なのだ一宮大将ともあろうものがサ、まさか株に手を出しやしまいし、死の直前に
不動産を全部金に換え、しかもそいつを全部使途不明にしてしまい、遺族は生活費の外に....
「坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
在では、三十万余の金を持っている。そしてなお殖えつつある。而もそれが殆んど全部、
不動産はなくて株券か現金かなのだ。だがこのことについては先に述べよう。 右のよ....
「中支生活者」より 著者:豊島与志雄
僧侶が修業してる大寺院があり、由緒ある名刹は至る処にあるが、これらは大抵、所有の
不動産からの収入で支持され、一般大衆にとっても、仏教はもはや生きてる信教ではなく....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
でも、財産の半分の持参金がなければ、結婚はさせられない、というのであった。動産、
不動産、病院の諸設備に至るまで財産に見積って、その全額のキッチリ半分、ちゃんと金....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
した。フランシス自身もその土地を売ろうと決心した。だが、売っていいのはただ一つの
不動産であって、しかもそれは、母の賛成がなくては処分することができないようになっ....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
ためには、立憲君主とも妥協し、ブルジョワ地主に圧迫されている農民とも妥協し、また
不動産の投機師とも妥協した執政官であった。そういったいろんなものが不思議にも彼の....
「富籤」より 著者:神西清
この俺のなら、俺は勿論まず第一着に、二万五千ほど投げ出して何か地所といったような
不動産を買い込むね。それから一万はそれにくっついてくる色んな費用に充てる。造作の....