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不可
「不可〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不可の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
廃学を計画した。けれどもこの貧困の脅威はその度に薄暗い将来を示し、無造作に実行を
不可能にした。彼は勿論学校を憎んだ。殊に拘束の多い中学を憎んだ。如何に門衛の喇叭....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
うとすればまず旅に出なければならない。しかし当てもない旅に出るのは現在の伝吉には
不可能である。伝吉は烈しい絶望の余り、だんだん遊蕩《ゆうとう》に染まり出した。「....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
誉《きよ》に煩わされる心などは、とうに眼底を払って消えてしまった。あるのは、ただ
不可思議な悦《よろこ》びである。あるいは恍惚《こうこつ》たる悲壮の感激である。こ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
におい》を漂わせていた。それはこの庭の静寂に、何か日本《にほん》とは思われない、
不可思議な魅力《みりょく》を添えるようだった。
オルガンティノは寂しそうに、砂....
「葱」より 著者:芥川竜之介
とする乗合自動車のモオタアのごとく、轟く胸の中に描いているのは、実にこの来るべき
不可思議《ふかしぎ》の世界の幻であった。そこには薔薇《ばら》の花の咲き乱れた路《....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
のを厭《いと》わず、もう一度他の路へ曲って行った。如来が彼の面前へ姿を現したのは
不可思議《ふかしぎ》である。が、あるいは一刻も早く祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》へ....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
て動いているという気がする。しかもその動いてゆく先は、無始無終にわたる「永遠」の
不可思議だという気がする。吾妻橋、厩橋《うまやばし》、両国橋の間、香油のような青....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。だから彼は山間の春の中に、鳥や獣《けもの》のごとくさまよいながら、幸福と共に
不可解な不幸をも味わずにはいられなかった。
彼はこの寂しさに悩まされると、しば....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ご》数箇月の間、ちょうどひとかどの哲学者のように死と云う問題を考えつづけた。死は
不可解そのものである。殺された蟻は死んだ蟻ではない。それにも関《かかわ》らず死ん....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ると、攀《よ》じ難い峯《みね》の頂を窮め、越え難い海の浪《なみ》を渡り――云わば
不可能を可能にする夢を見ることがございます。そう云う夢を見ている時程、空恐しいこ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
《くつたび》をはいているにもせよ、この脚で日本間を歩かせられるのはとうてい俺には
不可能である。……
「九月×日 俺は今日道具屋にダブル・ベッドを売り払った。この....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
常に多い。自分がそれをことごとく読破すると云う事は、少くとも日本にいる限り、全く
不可能な事である。そこで、自分はとうとう、この疑問も結局答えられる事がないのかと....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
う志望などを持っていたわけではなかった。それをなぜそう言われたかはいまだに僕には
不可解である。 四〇 勉強 僕は僕の中学時代はもちろん、復習というも....
「初雪」より 著者:秋田滋
を片田舎のパルヴィールに据えつけることは、彼には、魔法の石を見つけだすぐらいに、
不可能なことだと思われたのである。 ある日、良人は用事があってルーアンまで行っ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
口で抜け目のないところと、単純にものを信じやすいところとが妙にまじりあっていた。
不可思議なことを好む食欲も、またそれを消化する力もなみなみでなかった。しかも、そ....