不在[語句情報] » 不在

「不在〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不在の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
た草の色は、以前とさらに変りません。が、取次ぎの小厮《しょうし》に聞けば、主人は不在だということです。翁は主人に会わないにしろ、もう一度あの秋山図を見せてもらう....
或る女」より 著者:有島武郎
新聞記者の来襲を恐れて宿にとじこもったまま、火鉢《ひばち》の前にすわって、倉地の不在の時はこんな妄想《もうそう》に身も心もかきむしられていた。だんだん募って来る....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
現に只今も命様には何かの御用を帯びて御出ましになられ、乙姫様は、ひとりさびしくお不在を預かって居られます。そんなところが、あのお伽噺のつらい夫婦の別離という趣向....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
つていたり、流しの棚にあるはずのものが冷蔵庫にしまつてあつたりする。だから彼女の不在中にものを探しあてることはほとんど絶望である。探す以上は一応我々の常識と因襲....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
入ってから今や四十九年になる。その間、サー・デビーと大陸に旅行したちょっとの間が不在であっただけで、引きつづき永々御世話になりました。その間、貴下の御親切により....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
づくりだった。窓はガラス張りのもあったが、帳面の紙をはぎあわせてあるのもあった。不在のときには、きわめて巧妙に、細枝でつくった紐でしっかりとドアの取っ手をしばり....
一老人」より 著者:犬田卯
た。しかしこの老人の存在は、私の知識の範囲外にあったのである。まる二十ヵ年の私の不在の間に、ここの家は空家になってしまっていた。私の記憶にあるのは、陽だまりに草....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
式に直接出かけて行って若旦那様に面会を申込んだ。が、肝心のその若旦那様は何時も『不在』。たとい広い邸宅の奥の方に姿が見えたにしても、決して店先へなど現れず、依然....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
ときも、その日はかの女子一人のみ家にありし日なれば、いずくんぞ、かの女子が家人の不在に乗じて、自らなせしところにあらざることを知らんや。 第四に、杉本氏の談話....
妖怪学」より 著者:井上円了
き等は同一理によりて説明し、一我ここにありて他我ほかに出ずるときは、他人の我その不在をうかがいてわが体中に入り、また両我ともに一身中にあるも、他人の我のその力一....
妖怪談」より 著者:井上円了
したのです。その風致、あたかも小日本の観がありました。そこで、取り次ぎに主人の在不在を問いました。幸い在宅でありまして、主人は早速出迎えました。彼について客間へ....
妖怪報告」より 著者:井上円了
帰家すべし」と。しかして、黄昏帰家せざるをもって家僕を迎わせんとせしに、あいにく不在なるにより、妻、一婢をもって出迎えせしは、すでに夜七時。提灯を携え東奔西馳し....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
彩の空気を漂わしていた。 この五色で満身を飾り立ったインコ夫人が後に沼南の外遊不在中、沼南の名誉に泥を塗ったのは当時の新聞の三面種ともなったので誰も知ってる。....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
何日間滞在する等のことは、毫も父母、親戚に告げざるを例とす。両人出発の後は、その不在の宅にありて当日の夜更けに宴会を張り、あるいは歌い、あるいはおどり、もって婚....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
んと欲せしも、同館閉鎖せられ、入ることを得ず。自ら察するに、暑中休暇にて同氏旅行不在ならんと思い、むなしく旅館に帰りしが、後に聞けば、同氏は当日余の来たるを知り....