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「不壊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不壊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
するものではない。距離の接近はかえって媚態の強度を増す。菊池寛《きくちかん》の『不壊《ふえ》の白珠《しらたま》』のうちで「媚態」という表題の下に次の描写がある。....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
とりとめたが、その代り今度は火に入《い》って焼けず、水に入って溺《おぼ》れぬ金剛不壊《こんごうふえ》のからだだと号して寺内《じない》の蓮池《はすいけ》へ這入《は....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
それから気兼ね苦労で育て上げられる。 さて、こうした末に、なり上がった人の命が不壊なればこそ、 生命の頼りがたなさは、水に描ける絵、砂に刻める文字もおろかであ....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
二十七回だと、立札がしてあるが、そんなことはどうでもいい。登山者の眼中には、金剛不壊の山の本体の前に、永久性の大鳥居がただ一つあるばかりだ。神楽殿の傍には、周囲....
悟浄出世」より 著者:中島敦
、浪に乗る者はこれを越えることができる。この有為転変《ういてんぺん》をのり超えて不壊不動《ふえふどう》の境地に到ることもできぬではない。古《いにしえ》の真人《し....
風流仏」より 著者:幸田露伴
青くなり新聞紙|引裂捨て何処ともなく打付たり。 下 恋恋恋、恋は金剛不壊なるが聖 虚言という者|誰吐そめて正直は馬鹿の如く、真実は間抜の様に扱わる....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
その一面を非常によく云い表わされている。但し之も文義的に解釈せられるべきもので、不壊の真理から流転界に堕しつつもなお之を抜け出ようとする境地を指して仏典では「世....
対話」より 著者:宮本百合子
の、蝎《さそり》の毒でも死ぬように果敢ない肉体を持ちながら、精神ばかりは高貴な、不壊な者たちをどうして痛おしまずに居られよう。私には母の本能がある。自分の最初の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
い、と云うしかない。父と私との実に充実した情愛を包む各瞬間をして益※光彩あり透明不壊であるように生きましょう。私は父との永訣によって心に与えられた悲しみを貫く歓....
道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
今か今かとまつよりほかはどうすることも出来ないのでございましょうか。老僧様、私は不壊の知識を求めて上って来たのでございます。ゆうべも日高川からこっち誰にも人にあ....
魔都」より 著者:久生十蘭
古の心情を充分に形容することは困難であろう。切磋骨を刻むが如き努力の成果と、金剛不壊の真名古の信念は、こういう恍けた二つの現象によって、今やガラガラと音を立てて....
地上」より 著者:島田清次郎
るのが、まるで畳をとおし、階下を通じ、大地の底にしっかり根をおろしたように静かに不壊である。足下に軽く乗せられた羽蒲団の上へ幽かに乗せた右手のふっくらと肥えた品....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
するまでは思い絶たない望みであるのだ。天地と自分と一枚の肉体となって、そこに金剛不壊の自己を打ち樹てる。そこまで行かねば刃を退かない勝負の修業だった。けれども、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
すばらしい空気の林。 なんとまた高いマストだろう。その豪壮な、天に沖した金剛|不壊力の表現を見るがいい。その四方に斉整した帆綱の斜線、さながらの海上の宝塔。 ....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
う。学界には新学説が宇治川の面の水泡のごとく現われかつ消えている。その中で永遠に不壊のものと認められる学説は月空の星のごとく少ない。そのうちに永遠性をもつ学説を....