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「不幸せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不幸せの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ある抗議書」より 著者:菊池寛
て居りました。 「まあ可哀相な事じゃ。夫婦揃うて殺されるなんて、あの子はよっぽど不幸せな子じゃ」と申して泣くかと思いますと、 「えい憎い畜生め! ようもおとしを....
アンドロギュノスの裔」より 著者:渡辺温
えなくなったのである。 こんな身の程を弁えぬ恋をしてしまったことは、容易ならぬ不幸せだ――とY君は考えた。一生、ひそかに恋わたっているだけのことで、それでもい....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
分の気持も誰にだってほこれるものだから。だけど、唯それを感じてもらえないことは、不幸せかも知れない――というような手紙です。ドビュッシーの海をやってました。私は....
家なき子」より 著者:楠山正雄
感じた。 「まあ、わたしの言ったことばをよく考えてごらん。おまえはわたしといれば不幸せなことはないよ」と老人は言った。「孤児院などへやられるよりはいくらましだか....
行雲流水」より 著者:坂口安吾
いわ」 「なるほど。一々、もっともだ。漬物屋へお嫁に行っても、お前さんたち家族は不幸せになるばかりだし、先方も大いに不幸せになることだろう。万事拙僧が見とゞけた....
女難」より 著者:国木田独歩
と私が可愛いので、先から先と私の行く末を考えては、それを幸福の方には取らないで、不幸せなことばかりを想い、ひとしお私がふびんで堪らないのでございました。 ある....
頸飾り」より 著者:辻潤
行くことも出来ず、みすみす栄ない日々の生活を送らなければならないのかと真から身の不幸せを歎いていた。成程女は氏なくして玉の輿という、生来の美しさ、優やかさ、艶や....
五重塔」より 著者:幸田露伴
て我が今理屈を味方にするでもない、世間を味方にするでもない、汝が手腕のありながら不幸せで居るというも知って居る、汝が平素薄命を口へこそ出さね、腹の底ではどのくら....
小波瀾」より 著者:神西清
、ママの言うことをきくんだぞ、大事にするんだぞって頼むの。ねえ、小父さん、僕たち不幸せなんでしょう?」 「ふむ……なぜそう思うの?」 「パパがそう言うの。お前た....
頸の上のアンナ」より 著者:神西清
じながらぽつねんと坐っている光景が眼に浮んで来るのであった。 「ああ、私はとても不幸せだわ」と彼女は考えた、「なぜ私はこうも不幸せなんだろう?」 女を扱うこと....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
。 「お母さんさえ生きていたら、私はこんな女にもならず、ほかの妹弟たちも、あんな不幸せにはならなかったろうに……」しみじみ思いだされるのである。 親父は廓の遊....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
人なら、なんでもない、実父の顔をひと目見るということが、生涯最大な希望になるほど不幸せな身には、恋にも、同じような恵まれない宿命をもっていた。 剣山へ行くまで....