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不当
「不当〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不当の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
ならないか。勿論、李は一度もそう云う問題を考えて見た事がない。が、その苦しみを、
不当だとは、思っている。そうして、その苦しみを与えるものを――それが何だか、李に....
「白」より 著者:芥川竜之介
スと称し、最も兇猛《きょうもう》な種属であると云う。なお宮城動物園主は狼の銃殺を
不当とし、小田原署長を相手どった告訴《こくそ》を起すといきまいている。等《とう》....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
特種の人である。しかし第二の種類に属する芸術家である以上は、私のごとく考えるのは
不当ではなく、傲慢《ごうまん》なことでもなく、謙遜《けんそん》なことでもなく、爾....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私にとって智的生活よりもより価値ある生活である。若し価値をもってそれを定めるのが
不当ならば、より尊い生活である。しかも私はこの生活の内容を的確に発想することが出....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ル)となっている。ヒッパルコスの方は地球半径の一二〇〇倍という、すなわち、ずっと
不当な値を出しているのである。ポセイドニオスは水時計の助けを借りて太陽の直径を測....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に於て国民皆兵の制度が破れて以来、その民族性は、極端に武を卑しみ、今日なお「好人
不当兵」の思想を清算し得ないで、武力の真価を発揮しにくい状態にある。 日本の戦....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
備と書店の用意とは自ずから異なってるから、丸善に備えつけた目録を図書館に需めるは
不当であろうが、日本の普通図書館には求められない特殊の外国書目が丸善には準備され....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
、社会が往々『大文学はパンの為めに作られず』と称して文人の待遇を等閑視するは頗る
不当の言である。 今日の社会は経済的関係なるが故に、士農工商如何なる職業のもの....
「転機」より 著者:伊藤野枝
ない。いつでも愚痴をいってる奴にかぎって弱いのと同じだ。自分がしっかりしていて、
不当なものだと思えばどんどん拒みさえすればそれでいいんだ。世の中のいろんなことが....
「橋」より 著者:池谷信三郎
きた。 5 ――私は、ただお金持ちの家に生れたというだけの事で、そりゃ
不当な侮蔑を受けているのよ。私たちが生活の事を考えるのは、もっと貧しい人たちが贅....
「風波」より 著者:井上紅梅
帥だ。張大帥はすなわち燕人張翼徳の後裔で、彼が一度丈八の蛇矛を支えて立つと、万夫
不当の勇がある。誰だって彼に抵抗することは出来ない」 彼は両手をひろげて空拳を....
「思い」より 著者:伊丹万作
たつて、一度も、そして一人も従業員代表が加えられていないことをだれも怪しみもせず
不当とも感じていないらしいのは、はなはだ不可解であるが、私はそれを憤るよりもまえ....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
頂けたら倖だと思います」 係官一同は、池内の立場として、そうした要求をする事を
不当だとは認めなかった。池内は別室で細々と、航路から見た下界の模様を逐一よどみな....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
変動、海上の風波のごとしというは至当なり、海上の風波、社会の変動のごとしというは
不当ならずや。政教子曰く、画景を評して実景のごとしといい、実景を評して画景のごと....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
れたのである。すなわち私の研究が西洋に偏していても「戦争」の問題である限り決して
不当でないと信ずる。 私の戦争史が西洋を正統的に取扱ったからとて、一般文明が西洋....