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不愛
「不愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
でも単調な川音が聞こえつづけた。
* * *
何んという
不愛想な人たちだろうと思って、婆やはまたハンケチを眼のところに持っていった。
....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
がアパートへ遊びに来ると、何となく気がまぎれるのだった。が、その京吉の今日のこの
不愛想さは一体どうしたことであろう。 芳子は取りつく島のない想いの底に、何か後....
「鮨」より 著者:岡本かの子
りの好感を寄せる程度で、微笑して呉れるときはともよのいたずら気とばかり思い、また
不愛想な顔をして仕事に向う。 湊はこの店へ来る常連とは分け隔てなく話す。競馬の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
そうで、おめでとう存じます、えへへ、と燥いだ。 余計な事を、と不興な顔をして、
不愛想に分れたが、何も車屋へ捜りを入れずともの事だ、またそれにしても、モオニング....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
隊の屋台が出来ていて、道には七組か八組の踊りの連中が車馬の往来を止めていた。日頃
不愛想だという評判のキャフェの煙草売場の小娘が客の一人に抱えられていた。まだ昼前....
「露肆」より 著者:泉鏡花
例の技師で。 「どうですか、膃肭臍屋さん。」 「いや、」 とただ言ったばかり、
不愛想。 技師は親しげに擦|寄って、 「昨夜は、飛んだ事でしたな……」 「お話....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
せてあげぬでもない……。そんなことを言われたのでございます。その時私は、何という
不愛想な老人があればあるものかと心の中で怨みましたが、後で事情が判って見ると、こ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
ラにならうと、オカズの皿がカラにならうと、全然見向きもしてはいけません。そのくせ
不愛想ぢやア俺のふところを見くびりやがる、ヒガミが病的なんで、全然衰弱しきつてい....
「火の扉」より 著者:岸田国士
社会にみられぬ軍人特有のものときめていた。夫の一徳でさえ、妻の自分にはいつこうに
不愛想で、時には暴君そのまゝの行状を示すのに、よその細君に対しては、寸分もすきの....
「どろぼう猫」より 著者:海若藍平
め立てておくれでない。畳の上の事と地べたの上の事とは勝手が違いますからね」 と
不愛想に言いました。犬はいよいよ勘弁ならぬと思いましたが、このうちの人に可愛がら....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
りとして閑かであった。たとえ道を訊くためにドアのベルを鳴らしても出て来る家族は、
不愛想な顔もせず、表まで出て来て念入りに教えて呉れる余裕を家々は持って居た。また....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の時だけで、個人としては全然面識もなかったが、見るところ、若い芸人には似合わない
不愛嬌な、いわゆる傲岸不屈といったような人物であるらしかった。師匠の団十郎もそれ....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
紙の字を見て、 「なあんだ、蕃山、息、――游軒か、フフフフ」 と冷笑を漏らし、
不愛想な態度で奥へ引っこんでしまった。 「こんなような品は手前どもでは扱っており....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
まって住んでいた。慧鶴を心配して様子を見に来たり仮小屋へ連れ込もうとした。慧鶴は
不愛想に断った。それでもう誰も彼を関いつけるものはなくなった。ただ一人実家の老僕....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ません。
そんな事をわたしに真面目で言っては困ります。
あなたのような荒々しい、
不愛想な、気違染みた
友達は無くても惜しくはありません。
昼間中手一ぱいの用があ....