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不承知
「不承知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不承知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ゃ何かにつけて不便だろう。」
「そりゃ、どうにでもしかたはあるのだけれど、あれが
不承知なのだから、困るわね。おかげで、仲間の者へ沙汰《さた》をするのも、わたし一....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
「でも私が承知ならいいじゃありませんかね」 「いくらおまえさんが承知でも、私が
不承知だ」 「おや、まあ、いやにむずかしいのね」 かく言いつつ美人は微笑《ほほ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
理である。無理は自分も万々承知している。しかし無理ならば無理で、なぜ面とむかって
不承知を言わない。おとなしそうな顔をして万事呑み込んでおきながら、暗い所でおれを....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
まり、お前がそう剛情はるのも政夫の処へきたい考えからだろうけれど、それはこの母が
不承知でならないよ、お前はそれでも今度の縁談が
不承知か。こんな風に言われたから、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
打たれたらしく、唯もじもじしていて、はっきりした挨拶もできなかった。 「今さら御
不承知と申されては、わたくしどもの役目が立ちませぬ。まげて御承知くださるように重....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
くもソレ勝負、丁か半かは酒井家の意志の存する処に因るのみとぞなんぬる。 先生が
不承知を言えばだけれども、諾、とあればそれまで。お妙は河野英吉の妻になるのである....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
はいずれまた逢っての上にしましょう。あなたを悦ばせようと申した事は、母や姉は随分
不承知なようですが、肝心な兄は、「お前はおとよさんと一緒になると決心しろ」と言う....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
何でもお世話してくださることで、またこの子の名をあげることであるなら、私どもには
不承知なわけはございません」 「お父さんの考えはどうでしょう?」 「私どものは、....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
もに成敗いたしたというのである。妻の里方ではそれを疑った。与市の母や兄はもちろん
不承知であった。しかし里方としても確かに不義でないという反証を提出することは出来....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
べ立てると、その候補者はなかなか見いだせない。たとい見いだされたとしても、本人が
不承知であればどうにもならない。 その選択に行き悩んで、白羽の矢を立てたのが喜....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
た。 しかしほかの事と違いますから、叔母に打明けるわけには参りません。いえば、
不承知は判り切っています。
不承知どころか、どんな騒ぎになるか判りません。そこで、....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
か。たとい忰がなんと云っても、お前さんが何と勧めても、こればかりは私がどうしても
不承知ですよ。(寝室をみかえる。)女房だって
不承知に決まっています。(中二に。)....
「蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
お前達はなんにも云わぬがよい。娘はとうに承知しているのだ。 青年 いや、その娘も
不承知です。 蛇 お前もだまっていろ。今更故障を云うと、お前たちの為になるまい。....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
とで落ち着いたとき、ゆっくり話す、ね。だから手当だけを受けなさい」 政枝はまだ
不承知らしい顔をしていたが、「きっとですか」と多可子を瞠んで念を押した。そして間....
「自来也の話」より 著者:岡本綺堂
ゃべるか判りません。そう思っていてください。」 獄卒もこれには困った。飽までも
不承知だといえば、這奴は白洲へ出て宝叔塔や侍郎橋の一件をべらべらしゃべるに相違な....