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不抜
「不抜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不抜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「もの思う葦」より 著者:太宰治
とつき寝れば、二十五歳、深く自愛し、そろそろと路なき路にすすむがよい。そうして、
不抜の高き塔を打ちたて、その塔をして旅人にむかい百年のちまで、「ここに男ありて、....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
るに余りあるのだが、実際、この教養の観念が(ドイツ式)アカデミシャニズムの刻印を
不抜なものとして持っていることをまず見逃してならぬ。ドイツ式の特にアカデミックな....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
されているわけだ。でこの兼ね合い位い神経をつかれさせるものはない。放送局は云わば
不抜の神経衰弱症に初めから陥って生まれついている。生まれるとから自分を佯り大衆に....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
たから、今度は治安維持法改正法案は無事議会を通過することだろう。即ち、右翼の確固
不抜な行動は決して治安を紊る心配はない、という信頼がここに横たわっているのである....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
通し氷雪の鍛練を受け、そうして初夏の候に初めて収穫を見るのである。だから麦は堅忍
不抜なる男性的であり、米は優美豊満なる女性的である、いずれにしてもこの二つが相並....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うなこともあった。 彼は強い感情家であるとともに、非常な空想家であったが、堅忍
不抜な性質が彼を若い人間にありがちな堕落におちいらせなかった。それであるから、肚....
「青春論」より 著者:坂口安吾
ちながら休みなく流れているものが一つあり、それは実に「いつでも死ねる」という確乎
不抜、大胆不敵な魂なのだった。読者のために、今、多少でも引用してお目にかけたいと....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
は長期にわたる困難な航海に出かけるところですが、何か事があるばあい、あらゆる堅忍
不抜さをもってこれに処することが求められます。危急のさいに他の者の元気を振いおこ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
よる困窮は、それだけで移民の意気を沮喪せしめ、未開国の植民に当っては多大の資源と
不抜の忍耐心とを必要とすることを、痛感せしめるのである。
ヨオロッパ及びアジア....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
相半ばして一つの塊りとなって、芸術という溶鉱炉の中でとけあい、意図しなかった高い
不抜の境地をつくってくれている。 私はその中で花のうてなに坐る思いで――今安ら....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
た。蒙求風に類似の逸話を対聯したので、或る日の逸話に鴎外と私と二人を列べて、堅忍
不抜精力人に絶すと同じ文句で並称した後に、但だ異なるは前者の口舌の較や謇渋なるに....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
たことも、一度や二度ではなかった。――それは男性的と女性的、活発としぶとさ、堅忍
不抜と優柔不断などの混合物であって――問題がなんであろうと、はっきりした決定を与....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
民は、その心またおのずから勇猛の気風を帯ぶるに至るべし。かの米人の百折不撓、耐忍
不抜の精神は、全くこの感化によらざるはなし。かつ、この不撓
不抜の精神は、かの国山....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ること獅子の如く、
足早きこと鹿の如く、
血の熱することイタリア人の如く、
堅忍
不抜は北辺の民の如しと云う工合です。
その先生にお頼なさって、宏量と狡智とを兼ね....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
帥の大名望とドイツ参謀本部の能力が国民絶対の信頼を博した結果、統帥権の独立は確固
不抜のものとなった。しかもその根底をなすものは、当時決戦戦争すなわち武力に依り最....