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「不景気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不景気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
水の三日」より 著者:芥川竜之介
がする。 慰問会が開かれたのは三時ごろである。 鼠色《ねずみいろ》の壁と、不景気なガラス窓とに囲まれた、伽藍《がらん》のような講堂には、何百人かの罹災民諸....
たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
ないのに安心した。しかしこの店もはやらないのかと思うと、夫のボオナスにも影響した不景気を感ぜずにはいられなかった。 「気の毒だわね、こんなにお客がなくっては。」....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
《やす》きがゆえに、旅客はおおかた人力車を捨ててこれに便《たよ》りぬ。車夫はその不景気を馬車会社に怨《うら》みて、人と馬との軋轢《あつれき》ようやくはなはだしき....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
上の初生児も取られていた。汗水が凝り固まってできたような銀行の貯金は、その銀行が不景気のあおりを食って破産したために、水の泡になってしまった。命とかけがえの漁場....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
、膝開けに踏張りながら、件の渋団扇で、ばたばたと煽いで、台辞。 「米が高値いから不景気だ。媽々めにまた叱られべいな。」 でも、ちょっと含羞んだか、日に焼けた顔....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
根を生す、返咲の色を見せる気にもなったし、意気な男で暮したさに、引手茶屋が一軒、不景気で分散して、売物に出たのがあったのを、届くだけの借金で、とにかく手附ぐらい....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
各所で行われる……近くは鎌倉、熱海。また軽井沢などへ夏季の出店をする。いやどこも不景気で、大したほまちにはならないそうだけれど、差引一ぱいに行けば、家族が、一夏....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
りますと……それが人手から人手へ渡って、あとでは立ちぐされも同様。でも、それも、不景気で、こぼし屋の引取手もなしに、暴風雨で潰れたのが、家の骸骨のように路端に倒....
黒百合」より 著者:泉鏡花
くなって細うなったし、体も弱々しくって、夜露に打たれても毒そうではないか。」 「不景気なことを言ってらあ。麦畠の中へ引くりかえって、青天井で寝た処で、天窓が一つ....
歯車」より 著者:芥川竜之介
した。すると偶然顔を合せたのは或会社にいるT君だった、僕等は電車を待っている間に不景気のことなどを話し合った。T君は勿論僕などよりもこう云う問題に通じていた。が....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
というんです。 女学校出だが、下町娘。父親は、相場、鉱山などに引かかって、大分不景気だったようですが、もと大蔵省辺に、いい処を勤めた、退職のお役人で、お嬢さん....
三枚続」より 著者:泉鏡花
を歩で、道端の井戸で身体を洗って、蟋蟀の巣へ入ってさ、山出しにけんつくを喰って、不景気な。この温気に何と、薄いものにしろ襦袢と合して三枚も襲ねている、茄った阿魔....
式部小路」より 著者:泉鏡花
とを知ってますから、一番自前で遣ろうというんで方々捜したそうですがね。 当節は不景気ですから、いくらも床店の売もの、貸家はあるにゃありますが、値が張ったり、床....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
)と、火鉢で茶を入れていたおふくろさんと、課長殿の顔を見て、濃い眉の下に露一杯。不景気だし、註文は取れず、くらしも、かつかつ。簪は銀の松葉、それはまだ上等よ。煙....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
るのでありますが、池田総理のいうように、資本主義の経済が循環論法で動いていたら、不景気も、恐慌も、首切りも、賃下げもなくなることになります。しかしながら――しか....