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不案内
「不案内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不案内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
国三浦半島から、今の東京湾頭を横断して房総半島の湊へ渡るのが船筋だった。 土地
不案内に加えて、右往左往した上、乗った船もここにはやてを除け、かしこに凪ぎを待つ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
になりましたら、ぜひ御案内をねがいます。わたくしは御承知の通り、奥州の方角は一向
不案内ですから」 庭の雨戸を軽くことことと叩くような物音がきこえた。雪の音らし....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
造というおじさんが迎えに出てくれた。森おじさんは僕たちに向い、さぞお前たちは土地
不案内で困るだろうし、また島にいま適当な家も空いていないことだから、とりあえず自....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
あやが案内役で連れ出して行きましたよ。近所でいながら燈台下暗しで、わたくしは一向
不案内ですが、今年も躑躅はなか/\繁昌するそうですね。あなたもこゝへ来がけに御覧....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
枝が、その名刺をみると、彼が丸ノ内に探偵事務所をもっていることが分かった。東京に
不案内の彼女であったから、分からないことは、これから何でもかでも、帆村荘六にきく....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
探いたものなれども、孫子は措け、僧都においては、久しく心にも掛けませいで、一向に
不案内じゃ。 侍女一 (笑う)お精進でおいで遊ばします。もし、これは、桜貝、蘇芳....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
と、その髪容を視む)村越さんのお住居はこちらで? その はい、どちらから。 白糸
不案内のものですから、お邸が間違いますと失礼です。この村越様は、旦那様のお名は何....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
くゆけば、途中でトラックかなんかに乗せて貰えるかもしれない。 杜は横浜の地理が
不案内であった。東西の方向を知るにもこの日天地くらく、雲とも煙とも分らぬものが厚....
「転機」より 著者:伊藤野枝
不案内な道を教えられるままに歩いて古河の町外れまで来ると、通りは思いがけなく、ま....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
いる、彼女のためになってくれる人を頼って隠れるつもりでいたのだ。それを思い出すと
不案内の土地の停車場でまごついている心細い自分を、その時の自分の心持をこの停車場....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
あるには違いないが、居るか居ないか、逢えるかどうか分りやしない。おまけに一向土地
不案内で、東西分らずだもの。茶屋の広間にたった一つ膳を控えて、待っていて、そんな....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
すべて支那の怪奇談を主題に致したいと存じます。しかし、支那のことはわたくしも何分
不案内でございますので、その方面に詳しい方々に御出席をねがいまして、順々におもし....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
んな隅でもいいから今夜だけはここの家根の下においてくれと頼んだ。 「何分にも土地
不案内の夜道でございますから、ひと足踏みはずしたら、深い谷底へ真っ逆さまに転げ落....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
もかかわらず奮てこの計画を企てたるに外ならずといえども、日本人がかかる事には全く
不案内なる時に際し、これを引受けたる仏人の利益は想い見るべし。ロセツはこれがため....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
それにしても使の男が早く行着いて呉れば可いが……。一体、あの男は何者だろう。土地
不案内の為に、これも途中で迷っていられた日には、何時まで経っても際限があるまい。....