不様[語句情報] »
不様
「不様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不様の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
狽してしまい、考えていた次の言葉を忘れてしまった。いきなり逃げ出して、われながら
不様《ぶざま》だった。 不良中学生にしてはなんと内気なと、紀代子は嗤って、振り....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
来る。ルスタムは、自分に対して腹立たしい気持にさえなって来た。こんな馬鹿らしい、
不様な真似をしたことなどは、ギーウにも話せたものではない。心に呟きつつ、またまた....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
とっても、たまにはほしいのどかな午後の気分であろう。 ひとりぼっち、客間の庭に
不様《ぶざま》にされて忘られかけている石燈籠を眺めていると、この家の生活感情の推....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
中の切れ目と切れ目の間を臓腑がねじれ会いながら橋渡しをしているとでもいいたいほど
不様な橋の有様だった。十三日目を迎えたけれど、この
不様な有様にはさして変りもなく....
「栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
たけれ共、さりとて、黙ったまますむ事でもないので、ロール手紙に禿《ち》びた筆で、
不様な手紙を書き始めた。 まとまりのない、日向の飴の様な字をかなり並べる間、お....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
出る道を忘れたあほう鳩を捕えて足に石《いし》を結《ゆ》いつけては追ってよう飛ばぬ
不様な形を見て笑って居るのをお見なされてその者達の所にお出なされて、 もう王に....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
きゃつの業《わざ》の早いのが恐るべきだちゅうんだ、岡崎がかわされて手をついた時の
不様《ぶざま》ってあっか」
「さようでございます。どうもあのとおり乱暴な乞食なん....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
されるとき、ダラダラ出来るだけ口の端から流し出さしてしまおうとするように。それは
不様です。たしかに人前に出せた恰好ではありません。でも、単なる気弱さからとばかり....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
らしい、野暮なお方でもありますまい」 「またお前にしてからが、男の前で酔っ払い、
不様に姿を崩すような、あたじけない女でもないはずだ」 この時、バタバタと足音が....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
うと、吻っとしながらも、龍子の物好きを訝かった。 龍子は寿女へよく目をかけた。
不様だけれども、この娘はよく働く。恩恵を感じて給金を辞退するばかりか、どこからか....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
恥しがっていた自分を思い出す。が、この年をした自分が、そんなことを言えば、むしろ
不様である。診察台の上に、私は仰臥する。 「膝を立てて下さい。おや、大分、慄えま....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
たように見えるので、安心して路地へでも横町へでも勝手に入り込むことができる。この
不様《ぶざま》な身なりは、「じだらくに居れば涼しき二階かな。」で、東京の気候の殊....
「雨」より 著者:織田作之助
ていた。こんな筈ではなかったと思うのだが、自分の今の恰好を友達に見られたら随分|
不様であろうという恐怖で益々ぎこちなく真赧になってしまうのだった。沈黙の十五秒が....