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不毛
「不毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
ます。
ユトランドはデンマークの半分以上であります。しかしてその三分の一以上が
不毛の地であったのであります。面積一万五千平方マイルのデンマークにとりましては三....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
パタゴニア人を救うと、三上は単身パタゴニアに赴いたのだ。 そこは、氷雪の沙漠、
不毛の原野、陰惨な空をかける狂暴な西風、土人は、食に乏しく結核となって斃れてゆく....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
しまう。やがてゆくと、白蟻が草を噛みきったあとがある。兵隊蟻の、襲撃を避けるため
不毛の地にしてしまう。白蟻がちかければ沢がちかいのだ。気のせいか、草の丈がだんだ....
「メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
り陸に近いところに、それより小さな島がもう一つあった。岩石で恐ろしくごつごつした
不毛な島で、一群の黒い岩がその周囲に点々として散在している。 海の様子は、この....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
師田の生れで、もと兼山の小姓であったが、兼山が藩のために各地に土木事業を興して、
不毛の地を開墾したり疏水を通じたりする時には、いつも其の傍にいたので、しぜんと其....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
生」そのものの事実性が、知識の確実性の根拠であるとした。カントのアプリオリの如き
不毛の主知的観念に知識の妥当性があるのではない。具体的、直接なる体験は「生」の進....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
家賃六十円。それも、四五日後に敵が上陸すれば、丸損ですな。二ヵ月後から十数年間は
不毛の沙漠となりますから、土地も源泉も値のつけようがありません。値のつくものは、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
沈黙がこの氷の海に充ち満ちているのである。この世界のほかの部分では、たといいかに
不毛の地であろうとも、微かながらも大気の振動というものがある。――遠くの人の集ま....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ロマンチック精神の育くまれつつあった実証が朧げながら見られる。 鶴見はとにかく
不毛な詩作の失望から救われた。言葉の修練を日々の行持として、どうやら一家をなすだ....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
いものだと思った。なるほど退屈ではあるが、突然に不幸の打撃を蒙ることもなく、この
不毛の岩の上で一生を過ごしたかった。もし帰るとすれば、自分が犠牲になるか、私のも....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
台というのがあったね。外輪山から海へかけては全島ジャングルであるが、間伏の方だけ
不毛の砂丘が四百米ぐらい垂れさがっていました。そこへスキー回転競技式の曲線型にレ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
こと。 それはとにかく、税務署でさっそく議会の決議に応じたものと見え、この村の
不毛地に対し、畦地は熟田の時価の半額見当に、畑ざかいの荒地は隣接の畑地の約半額と....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
て竟にアタラ九仭の功を一簣に欠くの失敗に終った。が、汎濫した欧化の洪水が文化的に
不毛の瘠土に注いで肥饒の美田となり、新たに植樹した文明の苗木が成長して美果を結ん....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
るものありて、信教の自由、教会の独立を唱え、父母の国を辞して遠くアメリカに渡り、
不毛の広野に植民を開けり。その子孫ようやく繁殖して邑を成し都を成し、ついに英国政....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
五万)を動かした一八一二年ロシヤ遠征の際の作戦は、なるべく国境近く決戦を強行して
不毛の地に侵入する不利を避くる事に根本着眼が置かれた。これは一八〇六―七年のポー....