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不活溌
「不活溌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不活溌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「泥濘」より 著者:梶井基次郎
った。 やめた後の状態は果してわるかった。自分はぼんやりしてしまっていた。その
不活溌な状態は平常経験するそれ以上にどこか変なところのある状態だった。花が枯れて....
「路上」より 著者:梶井基次郎
るような気持であった。 (春先からの徴候が非道《ひど》くなり、自分はこの頃病的に
不活溌な気持を持てあましていたのだった。) 「あの辺が競馬場だ。家はこの方角だ」....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
》をたらしている。彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色《たんこうしょく》を帯びて弾力のない
不活溌《ふかっぱつ》な徴候をあらわしている。その癖に大飯を食う。大飯を食った後《....
「私の母」より 著者:堺利彦
く現われているとするなら、それは父の方からの欠点である。もしまた私に、不器用な、
不活溌な、優柔不断なところが大いに存在しているとするならば、それは母の方からの弱....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
った。その上、僕ら二人の留守中に老母がその孫どもに食べ過ぎさせたので、それもまた
不活溌に寝たり、起きたりすることになった。 僕の家は、病人と痩せッこけの住いに....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
責めた。久しく止めていたタイムズへの公開状も再び書始められた。肉体の衰弱と制作の
不活溌《ふかっぱつ》とに加えて、自己に対し、世界に対しての、名状し難い憤りが、彼....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
》いている、その癖静まり返ッていて身動きをもしない。やがて、 「何故《なぜ》アア
不活溌《ふかっぱつ》だろう」 ト口へ出して考えて、フト両足《りょうそく》を蹈延....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
府の農業政策が、農村の現実と齟齬《そご》する程度が増すにつれてこの委員会の活動は
不活溌にされ、現在は解体している。勤労者の生活不安が切迫しており、勤労者の自主的....
「現代史の蝶つがい」より 著者:宮本百合子
げられやすい。日本のように民間の世論調査機関が発達していず、しかも官僚統計は不備
不活溌である場合、日本全土にわたる配布網、宣伝網をもつ大新聞が、比較的たやすく世....
「長崎の印象」より 著者:宮本百合子
時、ジャパン・ホテルにいた数時間、実に堪え難い程町じゅうにはびこる物懶さ、眠さ、
不活溌を感じたが、一日一日、滞在の日が重るにつれ、逆に快い落付きを感じて来た。降....
「「乳房」創作メモ」より 著者:宮本百合子
々に云って下さい※ このような場合にでも、革反の活動が感じられず、青年車掌が
不活溌であった。 ―――――――――― このときは移動托児所のアジプロのため....
「或る日」より 著者:宮本百合子
髪をなおしながら、余り快活でなく呟いた。 「さあ。――少し疑問よ」 同じように
不活溌な千代の手にやや悩まされながら二日目の朝食がすむと、さほ子は、三畳の彼女の....
「操守」より 著者:豊島与志雄
…。気持よく伸びてる首、無意味に高い鼻、しまりのない唇から洩れる金歯の光、わりに
不活溌な、でも物怖じせぬ眼付、それに綺麗な肌を以てして、彼女は、余りにのんきすぎ....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
られぬ思慕を捧げていたのに、今ではすっかり何の気もなくなってしまった。今晩の彼は
不活溌で睡たげで、何の興味もないつまらぬ人間に思われたし、いつもの事ながら、料理....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
活は、健康的であり、平和、悠暢であるべきはずです。それと同時に反面、時代後れや、
不活溌、平凡、退屈があり、筋肉労働があるのです。 両者を人体に譬うれば、田舎は....