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不確か
「不確か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不確かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
日帰るか帰らないか、――と云うより一体帰るかどうか、彼には今も兄の意志が、どうも
不確かでならないのだった。
「それとも明日《あす》の朝になるか?」
今度は洋一....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
男の前で着物を脱がされたような、恥かしさと怖ろしさで一杯になりながら、月夜の庭を
不確かな足どりで、当てどもなく彷徨《さまよ》いはじめた。舌が真白に乾いて、胸は上....
「我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
する穴買主義と、配当はともかく勝馬を当んとする本命主義と。 一、堅き本命を取り、
不確かなる本命を避け、たしかなる穴を取る、これ名人の域なれども、容易に達しがたし....
「電車の混雑について」より 著者:寺田寅彦
すべてのものが満員であるような印象をもつ事になるかもしれない。 この最後の点は
不確かだとしても、次の結論は免れ難い、すなわち「来かかった最初の電車に乗る人は。....
「白痴」より 著者:坂口安吾
よそ見をしている怪物に大きな斧で殴りつけられるようなものだ。攻撃する相手の様子が
不確かだから爆音の唸りの変な遠さが、甚だ不安であるところへ、そこからザアと雨降り....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
った。「あの女はちゃんとそこにいたよ」 彼は起ち上がってドアをあけ、のろのろと
不確かな足取りで、船長室へ歩いて行った。 わたしは疑いもなく、船長は明朝までそ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
そこの女アンマがいて、自分勝手なモミ方をする。ツボを心得ているようないないような
不確かな手際で、指圧ともアンマともつかなくて、それでも怪力のせいか気持がよい。 ....
「家長の心配」より 著者:カフカフランツ
ものであり、ただスラヴ語の影響を受けているだけだ、といっている。この二つの解釈が
不確かなことは、どちらもあたってはいないという結論を下してもきっと正しいのだ、と....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
をいわれて黙っている手はありませんよ」と、カルルは興奮していった。彼は自分が船の
不確かな床の上にいて、未知の大陸の岸にいるのだ、という感情をほとんど失くしてしま....
「城」より 著者:カフカフランツ
て、その胸壁が、まるでおどおどした子供の手か投げやりな子供の手で描かれたように、
不確かな様子で、不規則に、ぼろぼろに、青空のうちにぎざぎざの輪郭を浮かび上がらせ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ていたことか! しかしKは、絶対的に必要である以上のものを放棄しなかったろうか?
不確かな、きわめて乏しいということを認めざるをえないような希望をいだきながら未知....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
でもその間に探検を企てた人の数は私の知って居るだけで二十五、六名ございます。もし
不確かな者をも合していいますれば四、五十名はあるだろうと思いますが、まず確かなの....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
打ち明けた連絡をアントニイ・ベエコンに通じるのであった。たとえ公務へ伝えた収穫が
不確かであっても、エセックスに伝えたものには、明瞭な収穫が示されているという調子....
「回顧と展望」より 著者:高木貞治
回顧は老人の追想談になるのが普通で,それは通例
不確かなものであることが世間の定評であるようであります.それは当然
不確かになるべ....
「青い花の香り」より 著者:小川未明
界が包まれているようで、そんなような姉さんがあったような、また、なかったような、
不確かさで、なんとなく、悲しみが、胸の中にこみあげてくるのでした。 「そのお姉さ....