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不羈
「不羈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不羈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「盲人独笑」より 著者:太宰治
記、そのままの姿では無い。ゆるして、いただきたい。かれが天稟の楽人ならば、われも
不羈《ふき》の作家である。七百頁の「葛原勾当日記」のわずかに四十分の一、青春二十....
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
のありさまとなし、雲を劈《つんざ》く光線と雲より放つ陰翳とが彼方此方に交叉して、
不羈奔逸の気がいずこともなく空中に微動している。林という林、梢という梢、草葉の末....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
名人右門はおもわず驚きの声をあげました。讃岐《さぬき》高松の城主生駒壱岐守に、
不羈《ふき》不行跡の数々があったために、その所領十七万石を没収されて、出羽《でわ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
なら、しいて天理に戻るということもあるまい。自分らごときは他人の異見を待たずに、
不羈独立して大和魂を堅め、善悪邪正と是非得失とをおのが狭い胸中に弁別し、根本の衰....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
究的な権威に於ては到底帝大の敵ではなかったのが事実だが、併しそれだけに一つの独立
不羈な生活意識に裏づけられていたので、単にブルジョア政界や財界に於てブルジョアジ....
「読書法」より 著者:戸坂潤
内にも反覆主張され、また云わば実証されているものであり、博士の首尾一貫して変らぬ
不羈独立の精神を告げて余りあるものだ。氏はみずからこの人間的態度を名づけてヒュー....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
の身は傷けない。ともにこの鎧に包まるる内は、貴女は海の女王なんだ。放縦に大胆に、
不羈、専横に、心のままにして差支えない。鱗に、爪に、角に、一糸掛けない白身を抱か....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
人は片腕を失っていた。要するに戦争上りのことでもあるから、人気は一般に荒っぽく、
不羈卓犖《ふきたくらく》というようなことを尚《たっと》ぶので、それだけ勉強するも....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
江戸趣味や向島沿革について話せとの御申込であるが、元来が
不羈放肆な、しかも皆さんにお聞かせしようと日常研究し用意しているものでないから、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
それらを改革することよりむしろ、それらを利用することが多かった。彼らはその独立|
不羈《ふき》の信条にもかかわらず、紳士アダルベルトとともに、田舎《いなか》の小ハ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
愛していた。この内気で几帳面《きちょうめん》な大子供は、クリストフの狂暴な独立|
不羈《ふき》の精神に魅せられてしまって、滑稽《こっけい》なやり方でそれをまねよう....
「青春論」より 著者:坂口安吾
まう。 乞食を三日すると忘れられない、と言うけれども、淪落の世界も、もし独立|
不羈の魂を殺すことが出来るなら、これぐらい住み易く沈淪し易いところもない。いわば....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
も、書肆の十露盤に大きな狂いを生じたであろうと思われる。 要するに西鶴が冷静|
不羈な自分自身の眼で事物の真相を洞察し、実証のない存在を蹴飛ばして眼前現存の事実....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
峻厳なものにしておきたいという私の主義と、一つは前にも述べた如く人に縋らずに独立
不羈で商売をやって行きたいという信念からであった。 器用貧乏……私の店が相当繁....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
れないものでもない」 こんな事を考えた。 詩人特有の白昼夢とも云えれば、※儻
不羈の本性が、仙骨を破って迸しったとも云えた。 意気|頗る軒昂であった。自分を....