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不義理
「不義理〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不義理の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
時代で金の指環ばかり六つも嵌《は》めていたと云う事、それが二三年|前《まえ》から
不義理な借金で、ほとんど首もまわらないと云う事――珍竹林主人はまだこのほかにも、....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《ととの》いき。 白糸は諸方に負債ある旨を打ち明けて、その三分の二を前借りし、
不義理なる借金を払いて、手もとに百余円を剰《あま》してけり。これをもってせば欣弥....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
であった。青木が全然失敗の男であり、しかも雄吉に対しては、とても償いきれぬような
不義理を重ねていながら、いったん顔を見合わしていると、彼の人格的威圧が、昔のよう....
「父帰る」より 著者:菊池寛
てておや》は俺が八歳《やっつ》になるまで家を外に飲み歩いていたのだ。その揚げ句に
不義理な借金をこさえ情婦を連れて出奔《しゅっぽん》したのじゃ。女房と子供三人の愛....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《くらもち》の家《うち》には、手前が何でさ、……些《ち》とその銭式《レコしき》の
不義理があって、当分顔の出せない、といったような訳《わけ》で、いずれ、取って来ま....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
得意先の理髪店を駆《か》け廻っての集金だけで細かくやりくりしていたから、みるみる
不義理が嵩《かさ》んで、蒼《あお》くなっていた。そんな柳吉のところへ蝶子から男履....
「世相」より 著者:織田作之助
としたような顔だった。たぶん入れて貰えないと思ったのであろう。もっともそれだけの
不義理を私にしていたのだった。 横堀がはじめ私を訪ねて来たのは、昭和十五年の夏....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うのは、あんまり義理も人情も知らない仕方じゃありませんか」 それは勘蔵に対する
不義理不人情ばかりでなく、主人の自分に対しても礼儀を知らない仕方ではあるまいかと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にはわからないと彼女は云った。 「それほど結構な人間なら、土地にいられねえような
不義理をした訳もあるめえに、折角売れ出した娘を無理に引き摺って、なぜ草深いところ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
ている、私のためですもの……気をかねてばかりいらっしゃらなくても宜しいわ。些とは
不義理、否、父さんやお母さんに、
不義理と言うこともありませんけれど、ね、私は生命....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
土手の暗がりを忍んで出たろう。 引手茶屋は、ものの半年とも持堪えず、――残った
不義理の借金のために、大川を深川から、身を倒に浅草へ流着いた。……手切の髢も中に....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
十五 尾花を透かして、 蜻蛉の目で。 内へ帰れば借金取、そこら一面八方|塞り、
不義理だらけで、友達も好い顔せず、渡って行きたい洲崎へも首尾成らず……と新大橋の....
「マレー俳優の死」より 著者:岡本綺堂
台で稼ぐだけでは足りるはずがありません。一座の者にはもちろん、世間にもだんだんに
不義理の借金もかさんで来て、もう二進も三進も行かなくなったんです。」 言いかけ....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
が一層瞳へひきつけられる結果になり、ひいては印刷機械を売り飛ばした。あちこちでの
不義理もだんだんに多く、赤玉での勘定に足を出すことも、たび重なった。唇の両端のつ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
す。何でも、あるがままがよいとして、食べたい放題、遊び放題、無理の言いたい放題、
不義理のし放題――それを、また世間でも、磊落だとか無邪気だとか言って買い被り、苦....