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「不自然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不自然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
だった。彼は彼等の前へ出ると、どうしても自由に振舞われなかった。のみならず時には不自然に巻煙草《まきたばこ》の箱へ手を出したり、立ち見をした芝居を吹聴したりした....
路上」より 著者:芥川竜之介
れが出合頭《であいがしら》に大井と顔を合せると、女のような優しい声で、しかもまた不自然なくらい慇懃《いんぎん》に、 「今日《こんにち》は。大井さん。」と、声をか....
或る女」より 著者:有島武郎
しい圧迫を打ち破ろうと思ってもそれができなかった。今何か物をいったらきっとひどい不自然な物のいいかたになるに決まっている。そうかといってその船員には無頓着《むと....
或る女」より 著者:有島武郎
一人《ひとり》は本を読み、一人が縁に出ているのは、いかにも自然でありながら非常に不自然だった。 突然――それはほんとうに突然どこから飛び込んで来たのか知れない....
片信」より 著者:有島武郎
無理があった。あのころといわずつい昨今まで僕には自分で自分を鞭《むちう》つような不自然さがあった。しかし今はもうそんなものだけはなくなった。僕の心は水が低いとこ....
星座」より 著者:有島武郎
の心を現わして、渡瀬さんの心をやすめたいと思ったけれども、何かいうのがどうしても不自然だったので何もいわないことにして、上り口まで送ってでた。 「どうか許してく....
親子」より 著者:有島武郎
したりしていた。彼がそこに出て行くと、見る見るそこの一座の態度が変わって、いやな不自然さがみなぎってしまった。小作人たちはあわてて立ち上がるなり、草鞋のままの足....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
に多分の便利が認められよう。然し個性の要求及びその完成から考える時、それはいかに不自然な結果を生ずるであろうよ。第一この制度の強制的存在のために、家族生活の神聖....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
も考えられないのである。それで、空間中で視線が徐々に曲るであろうという仮定は全く不自然なものである。従って、この考えは前世紀の中ごろしばらくの間は非常な注目をひ....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
を順序を違えず一つの脱落もなく、絶句もしないで滔々としゃべることこそはなはだしき不自然だといえる。だから絶句は自然だといって許しておいたらどういう結果になるかは....
」より 著者:池谷信三郎
向うの空に光っている北斗七星が、ああやって、いつものとおりの形を持していることが不自然だった。自分の身に今、これだけの気持の変化が起っているのに天体が昨日と同じ....
初雪」より 著者:秋田滋
、彼にはどうしても解らなかった。世間には、四季を通じて同じ場所にいることを、何か不自然なことのように思っている人間がある。どうしてそんなことを考えるのか、彼には....
大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
れて了ったと、私は神戸の埠頭に於て彼から直接聴いたのであるがそれは彼として決して不自然ではないらしい。「猿股の紐通し機械を売る婆さんは、猿股へ紐を通しては引出し....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
、政治というものは、国家社会の曲がったものをまっすぐにし、不正なものを正しくし、不自然なものを自然の姿にもどすのが、その要諦であると私は思うのであります。しかし....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の効力は自然に古の集団を横広の隊形に変化せしめて横隊戦術の発達を見た。横隊戦術の不自然な停頓と、フランス革命による散兵戦術への革新については詳しく述べたから省略....