不評判[語句情報] » 不評判

「不評判〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不評判の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
中、誰にも悪感《あくかん》を与えたことはなかった。若《も》し又多少でも僕等の間に不評判になっていたとすれば、それはやはり同室だった菊池寛の言ったように余りに誰に....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
自殺 万人に共通した唯一の感情は死に対する恐怖である。道徳的に自殺の不評判であるのは必ずしも偶然ではないかも知れない。 又 自殺に対する....
逆行」より 著者:太宰治
パスサンは知っていた。フロオベエルはおのれの処女作、聖アントワンヌの誘惑に対する不評判の屈辱をそそごうとして、一生を棒にふった。所謂《いわゆる》刳磔《こたく》の....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
か、サントブーヴは古今独歩の評論家であるが巴里《パリ》大学で講義をした時は非常に不評判で、彼は学生の攻撃に応ずるため外出の際必ず匕首《あいくち》を袖《そで》の下....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
芸者が、この娘の皮肉の折檻に堪えきれないで、海へ身を投げて死んだ。それから、急に不評判になって、あの婆さんと娘とがいる間は、井筒屋へは行ってやらないと言う人々が....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
ど倉子の贅沢増長したれば永く続く可しとも思われず、此頃は其金にてトローンの近辺へ不評判なる酒店を開業し倉子は日夜酒に沈溺せる有様なれば一時美しかりし其|綺倆も今....
花吹雪」より 著者:太宰治
っては、なかなか悲痛なものがあったに違いない、と私には思われてならぬので、前回の不評判にも懲りずに、今回ふたたび先生の言行を記録せむとする次第なのである。先生の....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
とカフェーとの問題だが、一方学生の社会的な弱り目につけ入り、他方カフェーの社会的不評判につけ入るとするならば、夫は全くたやすい企てでなければならぬ。すでにダンス....
惜別」より 著者:太宰治
密の囁きに合槌を打ち、もっぱら鳥鍋に首を突込んでばかりいた。田舎者の私には、その不評判のたたきも、別に饂飩粉くさくも感じられず、非常においしく思われた。 「問題....
獄中記」より 著者:大杉栄
出たたびに何かの本を差入れてやった。 男三郎は獄中の被告人仲間の間でもすこぶる不評判だった。典獄はじめいろんな役人どもにしきりに胡麻をすって、そのお蔭で大ぶ可....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
ル哲学はどういう意味を持つか。 従来或る時期の間にヘーゲル哲学一般が蒙っていた不評判の主な動機の一つは、外でもない、主としてヘーゲルの自然哲学に対する不信任か....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
民はこれほど声明の実行に忠実な政府を見たことはあるまい。 不穏文書等取締法案の不評判は有名である。民政党の一部の幹部には、根本的な修正を加えた上で通過させよう....
滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
コレクションは何と言っても今人の作品に優れていた。尤も僕の鑑賞眼は頗る滝田君には不評判だった。「どうも芥川さんの美術論は文学論ほど信用出来ないからなあ。」――滝....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
はヴェランダから地面に引きずり落され散々な目にあいました。その事が抑もこの土地で不評判になった最初だったんですの。 その時しどけない寝間着姿だったと云い触らし....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
て、安っぽい顔をしたセルロイドのキューピーをみる人は、日本の玩具が、世界の市場で不評判なのは、ただ破れ易いからばかりでないことを思いあわせねばなるまい。 しか....