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不起訴
「不起訴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不起訴の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あさましきもの」より 著者:太宰治
がよかった。男は、左肺を少し悪くしていた。
検事は、男を、病気も重いことだし、
不起訴にしてやってもいいと思っていたらしい。男は、それを見抜いていた。一日、男を....
「さようなら」より 著者:田中英光
辛うじて生命を取りとめた。ぼくは兇行時の意識喪失状態に刑法の責任なしと認められ、
不起訴になり、リエより約一月早く、精神病院から出られた。その間、ぼくの家庭は完全....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、すべて彼の留守中に悪化した。『松葉屋』も、『網元』も、『庄屋』も、証拠不十分で
不起訴になった。 村の九割までは、『松葉屋』に掴まされて、ぱたりと騒動が静まっ....
「彼は誰を殺したか」より 著者:浜尾四郎
べき事実がないのです。そこであなたの今までの供述に従えば御安心なさい、この事件は
不起訴になります。私はこの事件を
不起訴にすることにきめました」 「ありがとうござ....
「石を投ぐるもの」より 著者:宮本百合子
なかっただろうと思う。 ところが、この災難は起訴された。執行猶予ということは、
不起訴になったということではない。起訴した検事局は、どこまでも刑法に該当するもの....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
心境報告との手記を提出したが、その結果によって、教授の転向が明らかになって教授は
不起訴となった。蓑田氏でさえ気がつくことを末弘教授が気がつかなかったというのは、....
「露の答」より 著者:坂口安吾
の四方に及ぶを避けるために腹を切ったという、事実検事の追及も有耶無耶に結局事件は
不起訴に終りましたが、五郎兵衛の切腹は実は嘘です、なるほど五郎兵衛の腹中に脇差が....
「殺人迷路」より 著者:浜尾四郎
刑事訴訟法第二百五十五条によるのだ。この勾留は十日以内に検事が事件を起訴するか、
不起訴とするかに決定しなければならないのだ。これは同法第二百五十七条第一項に定め....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
うに信じて居たお上は、証拠が足りないと云って彼を相手にしなかった。其の上、結局は
不起訴にはなったものの、誣告罪の被疑者として、厳重に調べられた。法律を頼り切って....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
局、渇水停電とおなじで、おてんとう様のせいであり、双方、文句のつけどころがなく、
不起訴と落ちつく。 電気はつかず、湯の音、渓流の音だけを友に、ぼくらの部屋も、....