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不足
「不足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
だった。信輔は本を買う為めにカフエへも足を入れなかった。が、彼の小遣いは勿論常に
不足だった。彼はその為めに一週に三度、親戚《しんせき》の中学生に数学(!)を教え....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
しも不便を感じていない。他の三人もまた同様であろう。妻はこの四人の夫をいずれも過
不足なしに愛している。僕はまだ日本にいた時、やはり三人の檀那《だんな》と共に、一....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
日|戦《いくさ》の始まる前に、二十八人の部下の前で『項羽を亡すものは天だ。人力の
不足ではない。その証拠には、これだけの軍勢で、必ず漢の軍を三度《さんど》破って見....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
がしら》も露《あら》わにしたまま、「重吉、お前はあたしの娘では――腰ぬけの娘では
不足なのかい?」と毒々しい口をきいたりした。
しかしお鈴だけはその為に重吉を疑....
「母」より 著者:芥川竜之介
なくて?」
「しかし前の部屋よりは、広くもあるし居心《いごころ》も好《い》いし、
不足を云う理由はないんだから、――それとも何か嫌《いや》な事があるのかい?」
「....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
にこう云った。
――これを鑷子《けぬき》でぬけと申す事でござった。
内供は、
不足らしく頬をふくらせて、黙って弟子の僧のするなりに任せて置いた。勿論弟子の僧の....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
―実はもう昨日《きのう》の内に、大抵《たいてい》調達したのですが、まだ二百貫ほど
不足でしたから、今夜はそれを持って来ました。どうかこの包みを受け取って下さい。ま....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
のですよ。
主筆 天才はきっと受けましょう。
保吉 しかし妙子は外交官の夫に
不足のある訣《わけ》ではないのです。いや、むしろ前よりも熱烈に夫を愛しているので....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
《さいい》を纏《まと》い、この筋斗《きんと》の戯を献じ、この太平を楽しんでいれば
不足のない侏儒《しゅじゅ》でございます。どうかわたしの願いをおかなえ下さいまし。....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ぬ惚《ぼ》れだけじゃ。」
「が僧都《そうず》の御房《ごぼう》の天下になれば、何御
不足にもありますまい。」
俊寛《しゅんかん》様の御眼《おめ》の中には、わたしの....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
(それもたった二軒だけです。)カッフェ一つないのです。僕はこう云う寂しさを少しも
不足には思っていません。しかしK君やS君は時々「我等の都会に対する郷愁」と云うも....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
かりません。(皮肉なる微笑)
しかし男を殺さずとも、女を奪う事が出来れば、別に
不足はない訳です。いや、その時の心もちでは、出来るだけ男を殺さずに、女を奪おうと....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
何が氏をしてかかる不幸な決意をなすに到らしめたのか、原因は全く不明である。 何
不足なく幸福に日を送っているこうした人々を駆って、われと我が命を断たしめるのは、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ったことにふしぎはあるまい。ボールタス・ヴァン・タッセル老人は、裕福な、何ひとつ
不足のない、心の大まかな農夫の見ごとな標本だった。じっさい、彼は自分の農場の境界....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
しますところの計画経済による以外に道はありません。現在、わが国経済界の実情は物資
不足の時期は通り過ぎて、物資過剰のときとなって、資本家、企業家は生産制限をたくら....