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不退転
「不退転〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不退転の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
タイ》とあの山高帽《やまたかぼう》とに身を固めて、ドン・キホオテよりも勇ましく、
不退転の訳読を続けて行った。しかし先生の眼の中には、それでもなお時として、先生の....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
甲斐ないように思われて、自ら殺したいと思ったことさえあった。が、そのたびごとに、
不退転の勇を翻し、諸人救済の大業をなすべき機縁のいたらんことを祈念した。 享保....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
説いた事もある。また仏家《ぶっか》では中峯和尚《ちゅうほうおしょう》と云うのが具
不退転《ぐふたいてん》と云う事を教えている。なかなか容易には分らん」
「とうてい....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
国のこの時代には道らしい道などはなかったので、登山の困難は想像にも及ばずわずかに
不退転の心を抱いて深山幽谷を跋渉する、役ノ優婆塞の亜流ぐらいが時々参詣するぐらい....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
後引続いて如何に名誉ある活躍を示したか……そうしてその間に於ける翁の精進が如何に
不退転なもので在ったかは、後掲の記録を一見しただけでも一目瞭然であろう。 不幸....
「極楽」より 著者:菊池寛
はなかった。あんな単調な長い/\道を辿った時でも、心だけは少しも退屈しなかった。
不退転の精神が、心の裡に燃えて居た。ところが、その肝心の極楽へ来て見ると、如何に....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
る不乱不動の精進波羅密、骨をも休めず筋をも緩めず、湧くや額に玉の汗、去りも敢ざる
不退転、耳に世界の音も無、腹に饑をも補わず自然と不惜身命の大勇猛には無礙無所畏、....
「ジャンの物語」より 著者:宮本百合子
したいと云っている。そのためには、先ずジャン自身が自分の人間としての努力と謙遜で
不退転な善意とに満腔の信頼をおかなければならないのである。〔一九三七年十二月〕....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
けつける用意ではあるまいけれども、懐中に、年中貯金通帳を入れていた。 こうして
不退転の決意をもって巴里密航の旅費を累積しはじめたのだが、同時に、忽ち、栄養不良....
「レンブラントの国」より 著者:野上豊一郎
ったが、それを死ぬ間際まで飽きることなく描きつづけたというのも、まことに驚くべき
不退転の精魂ではあった。 その頃の他の画家たちと同じく、レンブラントにも「聖書....
「黒い手帳」より 著者:久生十蘭
なかったからなんだ……おれはこれでも絵かきだったんだぜ。十七の年から十五年の間、
不退転《ふたいてん》の精進《しょうじん》をした。そして十年前に巴里《パリー》へや....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ても全く保証されないものである。種々の原因による変化があるということは、規則的な
不退転の増加とは本質的に異るものである。人間の平均寿命は、ある程度までは、気候の....
「実さんの精神分析」より 著者:夢野久作
散するのだ。硫酸か塩酸のようにスゴイ……。 だから実さんの恃むところは唯一つ「
不退転の勇気」そのものである。鉄壁でも切りまくる。骨が舎利になっても前進する。そ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
刃も、あらかた、かくあるべく予期していたところ。 さらば来い! 修法のものに
不退転という言葉がある。 つるぎ山へ行き着こうとする目的は、ちょうど彼岸へ達そ....