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「不透明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不透明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
透明猫」より 著者:海野十三
殺す薬を用意していたので、それを注射することによって、透明人間たちはみんなもとの不透明にもどることが出来た。 青二も今はうれしく自分の家へもどることができた。....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
これから太陽と恒星が作られた。第二は透明な元素でこれから天が作られた。第三は暗く不透明でしかして光を反射する元素で、遊星や彗星はこれからできている。第一の元素は....
前哨」より 著者:黒島伝治
暗かった。 五時。――北満の日暮は早やかった。経理室から配給された太い、白い、不透明なローソクは、棚の端に、二三滴のローを垂らして、その上に立てゝあった。殺伐....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
て働かなければならなかった。――納豆の糸のような雨がしきりなしに、それと同じ色の不透明な海に降った。が、稚内に近くなるに従って、雨が粒々になって来、広い海の面が....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の宝玉を発見せねばならぬ。われら神聖なる哲学の徒は彼らの抱ける善の玉のいかに不純不透明にして雑駁なる混淆物を含みおるかを示して、雨に濡れたる艶消玉の月に輝く美し....
極楽」より 著者:菊池寛
一歩ずつ、闇が薄れた。闇の中に、乳白色の光が溢れるように遍照するのを感じた。初は不透明であった光が、だん/\透明になって行くと、それが止め度もなく、明るくなって....
地獄の使者」より 著者:海野十三
と思いますよ。とにかくわしの存じませんことで……」と答えたが、なぜかその返答には不透明なものが交っているように思われた。 「いや、ご苦労。そのへんで結構。まあ引....
雁坂越」より 著者:幸田露伴
やしない。ああ家に居たくない、居たくない。」 と云いながら、雲は無いがなんとなく不透明な白みを持っている柔和な青い色の天を、じーっと眺め詰めた。お浪もこの夙く父....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
としょう。 諸子はわれ等の主張が、既成宗教の教条に比して、遥かに不定形、遥かに不透明であると思うであろう。が、われ等は、決して彼等の顰に倣って実行不能、真偽不....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
あわしているんです。平気でおそらく喋ることもするだろう。何てことでしょう。まるで不透明。まるで馴れ合いの恋なんだ。嫉妬深い私、だけど、私は嫉妬したりはしなかった....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
感覚に大きな変化のあったのがわかった。以前には、触っても見ても感じのない、暗い、不透明なものが、わたしのまわりにあったわけだが、今度は打ち克つことも避けることも....
文学のふるさと」より 著者:坂口安吾
を打つ打ち方は、若干やりきれなくて切ないものではあるにしても、決して、不潔とか、不透明というものではありません。何か、氷を抱きしめたような、切ない悲しさ、美しさ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
の方へ帰るのであった。ある日私は山羊を捉らえて試みに乳を絞って見た。すると純白の不透明の乳液が、椰子の実の椀に三杯取れた。それは大変味がよくてきわめて立派な飲料....
地上」より 著者:島田清次郎
\無意識的に人の好さそうに笑っていた。その笑いは決して強者のあの深い厚味があって不透明な笑いでなくて、弱者が、恐れていたことを恐れなくともよかったとき感じる安易....
三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
はわからなかった。それを善意に解釈するなら、博士は、博士自身の精神的欠陥と頭脳の不透明とを自覚して、自分に欠けている部分を、私によって補おうとしたのらしくも思わ....