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不遇
「不遇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不遇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
小説家 そうですね。ウェデキンドの芝居だと、この半時間ばかりの間《あいだ》にも、
不遇の音楽家が飛びこんで来たり、どこかの奥さんが自殺したり、いろいろな事件が起る....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
不品行だからって、その養子を出してやろう。そんな奴だけれど、ただ、疎※があるの、
不遇をするのッて、お雪さんを苛めるばかり。何も良人の権だから、それをとやこう言う....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
の毒ながら、もはや脈はないものと相場が決まつている。 次に純粋の映画脚本作家の
不遇による、オリジナル・ストーリーの欠乏ということも一応問題にしなければなるまい....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
れて行くので有った。 「少しも早く師の許へ」 師の陣風斎という人は、実際|轗軻
不遇の士。考えれば考える程気の毒で成らなかった。斎藤弥九郎、千葉周作、桃井春蔵、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ッセルの邸に来ており、例によって、怪しいふしぎな伝説をぽつりぽつり物語っていた。
不遇なアンドレ少佐が捕虜になった場所に生えている大きな木のあたりで、葬式の行列が....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
きでしょう」 青年は苦笑した。 早く死んだ青年の父は、天才の素質を帯びている
不遇な文人画家であった。その血筋は息子の青年に伝えられた。 「僕にはこれで高邁な....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ことは前にも書いた。かれは明治二十年の春から名題俳優の一人となっていたが、とかく
不遇の地位に置かれがちで、一時は立役をやめて女形に転じたいと言っていたそうである....
「源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
、江戸歌舞伎式の俳優の最後の一人であると伝えているが晩年の源之助は寄る年波と共に
不遇の位地に置かれて、その本領をあまりに発揮していなかった。 源之助が活動した....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
てるだろう。だが、江戸の作者の伝統を引いた最後の一人たる緑雨の作は過渡期の驕児の
不遇の悶えとして存在の理由がある。緑雨の作の価値を秤量するにニーチェやトルストイ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
を外らさない共通の如才なさがあるものだが、世事に馴れない青年や先輩の恩顧に渇する
不遇者は感激して忽ち腹心の門下や昵近の知友となったツモリに独りで定めてしまって同....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
官を説く前に先ずその恩師古川常一郎を語らねばならない。古川は今から十四、五年前に
不遇の中に易簀してしまったが、今でもなお健在であるはずの市川文吉と聯んで露語学界....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
持って二階へ上って来た。そして雨戸を繰って風を入れながら畳の上の血を拭き始めた。
不遇ななかから漸く育ったわが子の血が結核などに汚されて、それがまたわが子の手に截....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
追いやるものとして、ありの群に、殺虫剤をかけると同じいものです。いままでも時代の
不遇に泣く人々はあったが、しかし、今日彼等の群は、ありの群よりも多数者である。生....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
愛があり、良心があるのを、うかゞわれるのであります。 さらに、貧しい家に生れ、
不遇に育った少年にしたところが、幸福の生活ということは、金持になることであり、ま....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
っておりまして、中には生存中酬いられずじまいの人も往々見るのであります。いわゆる
不遇の人です。真に気の毒と思います。 故に成功を目標にして努力することは、現象....